保育士

平成25年
Q 12 :  次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】4歳児クラスのM君は、数人の友達が砂場で砂山を作っているのを見ていたが、友達が大きなトンネルを掘ろうと話し合っているときに、さっと砂場に入り、トンネルを掘ろうとした。友達に「M君とは遊んでいない。」と言われると、足で砂山を踏みつぶしてしまった。砂山を作っていたHちゃんが「もう、M君とはずっと遊ばない。だいっきらい。」と叫んだ。いつものM君は、自分の意見が通らないとかんしゃくを起こすことが多いのだが、このときは園庭の隅に一人で走っていき、みんなに背を向けてこらえている様子である。砂場の友達は砂山を作りなおして遊びの続きをしている。【設問】この場にいた保育士のHちゃんへの言葉かけとして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A「そんな言葉を言ってはいけない。」と、仲間はずれを強く制止する。B「だいっきらいって、言ってもいいんだっけ?」と、Hちゃんが基本的な態度を身につけることができるように問いただす。C「M君は、いつも乱暴だからね。『そういう子とは遊ばない』と、みんなで強く言った方がいい。」と、Hちゃんを支持する。D「砂山こわれちゃって大変だったね。何があったのか、聞かせてくれる?」と、Hちゃんが自分の思いを言葉で表現できるよう話しかける。E「もう少しでできるところだったのに残念だったね。M君はなんでこわしちゃったんだろうね。」と、Hちゃんの思いを受けとめた上で、M君の気持ちに気づくことができるよう問いかける。
Q 13 :  次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】S君(6か月)は、第一子であり、母親が仕事に復帰するために入所してきた。同じクラスの同月齢のTちゃんはS君よりも身体が大きく、動きも活発だった。S君の母親は、S君の身体が小さいので発達も遅いのではないかと心配し、授乳時間と授乳量を何度も繰り返し確認し、時間通りに授乳して全量を飲ませてほしいと要求した。S君は小柄だが、身長・体重は標準の範囲内で、園ではS君の成長・発達について心配はないと考えている。このことを説明して、それぞれの子どものリズムに合わせた授乳が適していることや、発達には個人差があることを伝えている。しかし母親は、翌日も同じことを尋ね、このやりとりが1週間、繰り返された。【設問】入所後まもないこの段階で、保育所が行う対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A母親の要求通り、定時に全量を飲ませる。B母親に渡す記録には時間通りに全量を飲ませたことを記し、実際には子どもに応じた授乳を続ける。C子どもの体重と授乳量をグラフにしてわかりやすくしたり、嘱託医によるコメントを伝えるなど、母親が納得できるように工夫しながらやりとりをする。D送迎時などに、母親が子育てへの不安や心配を話すことができるように配慮する。E母親の精神の不安定を疑い、母親に既往歴を尋ねる。
Q 53 :  次の文は、ある保育所での【事例】である。また、図1は、【事例】の内容を以下の【表示例】を用いてあらわした「ジェノグラム」である。【事例】2歳児のM君は、0歳の時に何度も頭に怪我をして病院に運ばれ、父母からの虐待が疑われたため、乳児院に入所した。父母は毎月欠かさず面会を続け、自宅への試験外泊も順調に行ってきた。家庭復帰が決定し、その条件として保育所に通わせることになっており、保育所は市役所から次の二点について必ず報告するよう要請されている。①3日以上続けて休んだ場合。②傷やあざがあることが判明した場合。この【事例】における保育所の対応についての記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。 A 送り迎えの際に父母に対しては、他の保護者への対応と同様に、自然な声かけをするように努めた。 B M君の登園に際しては、顔色や表情、行動、衣服等身の回りの状況等についても、よく観察するように努めた。 C 登園時、M君のおでこにあざがあったが、虐待にによるものか判断できなかったので、話題にすることを避けて、父母には何も聴かないようにした。 D M君が3日間続けて保育所を休んだが、家庭復帰後、既に1ヶ月間順調に過ごしてきたことと、3日間とも母親から電話があり、「Mが風邪をひいた」、「まだ治らない」という説明があったので、市役所には報告しなかった。
Q 54 :  次の文は、保護者や家族への支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A「児童福祉法」における「保育所等訪問支援」は、保育所その他の児童が集団生活を営む施設において、障害児の保護者に対して障害児の家庭養育に必要な専門的な支援を供与することを目的としている。B「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)では、児童福祉施設の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者の秘密を漏らしてはならないとされる一方、利用者の家族の秘密を漏洩することについては特段の規定は設けられていない。C「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)では、乳児院における心理療法担当職員を置かなければならない要件として、心理療法を行う必要があると認められる乳幼児が10人以上入所している場合をあげており、乳幼児の保護者に対する心理療法の必要性については考慮されていない。D「発達障害者支援法」に基づけば、都道府県及び市町村は、発達障害児の保護者が適切な監護をすることができるように、相談及び助言その他の支援を適切に行うよう努めなければならない。