保育士

児童家庭福祉
Q 13 : 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】母親Xさんは、2年前に離婚し、4歳になるYちゃんと2歳のZ君を保育所に預けて働いている。1年前から、Z君が「パパがね」と話すことがあった。保育士が、Z君に「えっ?パパがどうしたの?」と尋ねても首を振ってそれ以上答えない。YちゃんもZ君も極端な偏食がみられ、他児と比較して虫歯も多かった。しばらくして、保育士がZ君の腕にアザを見つけた。そばにいたXさんにアザができた理由を尋ねると、「急に道路に飛び出したから腕を引っ張って止めた」と答えていた。数日後、保育士がZ君の太ももに新たな薄いアザを見つけた。保育所に迎えにきたXさんに新たなアザができた理由を尋ねると、「Zはもともと活発で最近自宅内でも走り回りあちこちぶつけて怪我をしている」と話した。【設問】次の文のうち、保育所の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A個人情報保護の観点から児童相談所には虐待の疑いについて通告しなかった。B Z君のアザに関して、Xさんが明確に経緯を説明していると判断し、家族関係に関する情報は収集しなかった。C YちゃんやZ君の虫歯が他児に比較してかなり多いこと、Z君のアザが複数回確認されていることから、虐待が疑われたため児童相談所に通告した。D偏食は、Yちゃん、Z君の「好き嫌い」であり、虫歯もそれが理由と思われたため、保育所の給食の時間に対応し、家庭での食生活や生活リズムなどの情報は収集しなかった。
Q 23 : 次の文は、児童福祉に関連する法律についての記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。・(A)法。この法律は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に(A)を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする。・(B)。第1条において、「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。」と児童福祉の理念が述べられている。・(C)。この法律は、母子家庭等及び寡婦の福祉に関する原理を明らかにするとともに、母子家庭等及び寡婦に対し、その生活の安定と向上のために必要な措置を講じ、もって母子家庭等及び寡婦の福祉を図ることを目的とする。・(D)等の支給に関する法律。この法律は、精神又は身体に障害を有する児童について(D)を支給し、精神又は身体に重度の障害を有する児童に障害児福祉手当を支給するとともに、精神又は身体に著しく重度の障害を有する者に特別障害者手当を支給することにより、これらの者の福祉の増進を図ることを目的とする。
Q 24 : 次の【I群】の施設名と【II群】の説明を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。【I群】 A 福祉型障害児入所施設 B 福祉型児童発達支援センター C 児童自立支援施設 D 情緒障害児短期治療施設E母子生活支援施設【II群】 ア 軽度の情緒障害を有する児童を、短期間、入所させ、又は保護者の下から通わせて、その情緒障害を治し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設である。 イ 障害児を入所させて、保護、日常生活の指導及び独立自活に必要な知識技能を付与することを目的とする施設である。 ウ 障害児を日々保護者の下から通わせて、日常生活における基本的動作の指導、独立自活に必要な知識技能の付与又は集団生活への適応のための訓練を提供することを目的とする施設である。 エ 配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設である。 オ 不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設である。
Q 37 : 次の文は、わが国の保育に関する法制度についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A「保育所保育指針」において、「保育所の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために(中略)行わなければならない」とされている。B「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)において、児童厚生施設には保育士を置かなければならないとされ、保育士の役割として、児童の自主性、社会性及び創造性を高め、もって地域における健全育成活動の助長を図ることが定められている。C「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)では、「乳児院における養育は、乳幼児の心身及び社会性の健全な発達を促進し、その人格の形成に資することとなるものでなければならない」とされている。D「学校教育法」第22条において規定されている幼稚園の目的には、保育という用語は使用されていない。E「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)において、「保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性」とするとされている。
Q 39 : 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】母親Gさんは、離婚後H市に転居し、仕事を探すため4歳のJ君を保育所に預けることになった。保育士は入所の際の面接時に、Gさんは離婚前、夫から暴力を受け、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」に基づく保護命令が裁判所からでていると聞いた。保育士の勤める保育所はH市の要保護児童対策地域協議会の構成メンバーであり、同協議会を担当する行政職員から、転居前の要保護児童対策地域協議会でも虐待を理由に支援が検討されていた家庭であり、要保護家庭として引き続き対応を続けるとの報告があった。保育所に入所してまもなく、保育士はJ君の脇腹にうっすらとアザのような痕を発見した。その後も肩のあたりに打撲のような痕があり、J君に尋ねても笑ってはぐらかすだけであった。【設問】この【事例】における保育所の対応として、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。A Gさんが必要としたときに情報提供できるように、ファミリー・サポート・センター事業、一時預かり事業、病児・病後児保育事業の連絡先などの情報を収集した。B J君の脇腹や肩に認められる傷が虐待によるものなのか判断がつかなかったが、H市の要保護児童対策地域協議会を担当する行政職員に報告を行った。C 個人情報保護の観点から要保護児童対策地域協議会を担当する行政職員には報告しなかった。D Gさんの元夫が「Gさんに頼まれた」と言いJ君を迎えにきたため、Gさんに確認はできなかったがJ君を連れて帰ってもらった。
Q 53 : 次の文は、ある保育所での【事例】である。また、図1は、【事例】の内容を以下の【表示例】を用いてあらわした「ジェノグラム」である。【事例】2歳児のM君は、0歳の時に何度も頭に怪我をして病院に運ばれ、父母からの虐待が疑われたため、乳児院に入所した。父母は毎月欠かさず面会を続け、自宅への試験外泊も順調に行ってきた。家庭復帰が決定し、その条件として保育所に通わせることになっており、保育所は市役所から次の二点について必ず報告するよう要請されている。①3日以上続けて休んだ場合。②傷やあざがあることが判明した場合。この【事例】における保育所の対応についての記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。 A 送り迎えの際に父母に対しては、他の保護者への対応と同様に、自然な声かけをするように努めた。 B M君の登園に際しては、顔色や表情、行動、衣服等身の回りの状況等についても、よく観察するように努めた。 C 登園時、M君のおでこにあざがあったが、虐待にによるものか判断できなかったので、話題にすることを避けて、父母には何も聴かないようにした。 D M君が3日間続けて保育所を休んだが、家庭復帰後、既に1ヶ月間順調に過ごしてきたことと、3日間とも母親から電話があり、「Mが風邪をひいた」、「まだ治らない」という説明があったので、市役所には報告しなかった。
Q 54 : 次の文は、保護者や家族への支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A「児童福祉法」における「保育所等訪問支援」は、保育所その他の児童が集団生活を営む施設において、障害児の保護者に対して障害児の家庭養育に必要な専門的な支援を供与することを目的としている。B「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)では、児童福祉施設の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者の秘密を漏らしてはならないとされる一方、利用者の家族の秘密を漏洩することについては特段の規定は設けられていない。C「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)では、乳児院における心理療法担当職員を置かなければならない要件として、心理療法を行う必要があると認められる乳幼児が10人以上入所している場合をあげており、乳幼児の保護者に対する心理療法の必要性については考慮されていない。D「発達障害者支援法」に基づけば、都道府県及び市町村は、発達障害児の保護者が適切な監護をすることができるように、相談及び助言その他の支援を適切に行うよう努めなければならない。
Q 77 : 次のある保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】M君は、他の保育所から2歳児クラスに転入してきた。もうすぐ3歳になるが、言葉の遅れがみられる。また、保育士が話すことを理解していると感じるときと、理解していないと感じるときがある。母親からは特にM君の言葉の遅れについて診断を受けたなどの報告はない。母親は、忙しい様子でいつも疲れており、送迎時も保育士と挨拶もせず、目を合わすことがない。ある日、保育士が声をかけたのをきっかけに母親がいきなり号泣した。父親はM君が1歳の頃から他県に単身赴任で、母親が孤立した状態になっている。仕事と帰宅してからの家事とM君の世話で疲れ果て、自宅ではM君の泣き声に耐えられず布団をかけてクローゼットに閉じ込めたり、M君の口に無理やり食べ物を押し込んだり、水をかけたりしてしまうとのことであった。【設問】この【事例】における保育士の対応として、適切な記述を○、不適切な記述を× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A 保育士は、M君の言葉の遅れは発達障害によるものであると診断した。B 母子保健の相談窓口と相談担当者に、母親に事前の了解を得た上で、母親の連絡先を伝えた。C 母親の訴えを受けとめ、保育所で行っているM君の対応方法を伝えるとともに、家庭での関わり方を母親と一緒に考えた。D 送迎時に母親が目を合わさないので避けた方がよいと考え、保育士は遠慮して声掛けをひかえた。E 保育士は、市町村への通告を前提として保育所長と相談した。