45歳の男性。脳出血による左片麻痺。Brunnstrom|理学療法士問題集

理学療法士

Q 5 : 
45歳の男性。脳出血による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。感覚障害は中等度。非麻痺側機能はおおむね良好。裸足での歩行は可能であるが、安定性が低下し速度も遅い。麻痺側の遊脚相で分回し歩行と強い内反尖足が出現する。立脚中期の膝ロッキングがみられる。この患者に適した装具はどれか。
1
長下肢装具
2
金属支柱付膝装具
3
クレンザック足継手付短下肢装具
4
プラスチック短下肢装具(足継手なし)
5
靴型装具(長靴)
解説

1-× 長下肢装具は大腿上部から足底にかけて運動制御を行うものである。

2-× 金属支柱付膝装具はプラスチック製よりも強固な固定で強い運動制御が得られる。

3-◯ Brunnstrom stage 下肢Ⅲは痙縮が著名な時期であり、本症例では遊脚期に足部の内反尖足と立脚期に膝のロッキングがみられる。クレンザック足継手付短下肢装具を装着すると、バネの力で足関節背屈と膝関節の屈曲が可能となることを利用して、踵接地を促すと共に立脚中期におこる膝のロッキングを制御する。

4-× プラスチック短下肢装具は適度な可撓性があり、形状の調整が容易である反面、耐久性の低さや修理が出来ないデメリットがある。足関節及び膝関節の運動制御を行うが、本症例では足部の痙縮が強いため、適さない。

5-× 靴型装具は強い内反及び外反扁平足・尖足変形などの矯正に用いられる。長靴は下腿上部までの長さがある。