1-運動麻痺は運動を司る錐体路に障害がある場合に生じる。錐体路は大脳皮質運動野(前頭葉)から放線冠・内包後脚・大脳脚・延髄の錐体交叉・延髄側索・脊髄前角の順で筋へ指令を出している。よって、錐体路の一部である放線冠が障害されると運動麻痺を呈する。
2-× 嚥下障害は大脳皮質・延髄の舌咽神経及び迷走神経などの障害により生じる。
3-× 視覚は網膜から受けた刺激を視神経・視交叉の順に大脳皮質視覚野(後頭葉)へ伝達する。この経路に障害が生じた場合、視覚障害を呈する。
4-× 聴覚は外耳から受けた刺激を蝸牛神経・中脳の外側毛帯・間脳の内側膝状体・聴放線を経て大脳皮質聴覚野(側頭葉)へ伝達する。この経路に障害が生じた場合、視覚障害を呈する。
5-× 失語症は高次脳機能障害のひとつで、脳の障害部位によって症状が分けられる。左大脳半球(優位半球)の上側頭回後部のウェルニッケ野の病巣では言語理解の障害、下前頭回後部のブローカ野の病巣では発語の障害が生じる。構音器官の器質的な障害によるものではないとされている。