下の荷主からの運送依頼に基づいて、A営業所の運行管理者が|運行管理者(貨物)問題集

運行管理者(貨物)

Q 7 : 
下の荷主からの運送依頼に基づいて、A営業所の運行管理者がア~ウの運行に関する計画を立てた。この運行計画を立てた際の運行管理者の判断に関する1~3の記述のうち、適切なものをすべて選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。\n\n〔 荷主からの運送依頼事項 〕\nA地点から重量が 5,250 キログラムの荷をB 地点まで往路運送し、復路はC地点 から重量が 5,000 キログラムの荷をD地点に運送する。\n\n〔 運行の計画 〕\nア 乗車定員 2 名で最大積載量 6,000 キログラム、車両総重量 10,950 キログラムの中型貨物自動車を使用する。当該運行は、運転者 1 人乗務とする。\n\nイ 当日の当該運転者の始業時刻は 7 時とし、乗務前点呼後 7 時 30 分に営業所を出 庫して荷主先のA地点に向かう。荷積み後B地点に向かうが、途中、最高速度が指定されていない高速自動車国道(法令による最低速度を定めない本線車道に該当しないもの。以下同じ。)のE料金所からF料金所までの間(この間の距離は 180 キ ロメートル)を連続 2 時間 30 分運転し、途中に 5 分の休憩を挟み、B地点には 12 時までに到着する。荷下ろし後荷主先C地点の休憩施設に向かい、当該施設におい て 1 時間の休憩をとる。\n\nウ C地点にて荷積み後、荷主先を 14 時 30 分に出発してD地点に向かい、高速自動 車国道のG料金所からH料金所までの間(この間の距離は 210 キロメートル)を連 続 3 時間運転し、荷主先の地点に 18 時 45 分までに到着する。荷下ろし後、当社営 業所に 19 時 20 分までに帰庫し、乗務後点呼を受け 19 時 50 分に終業する。\n\n[当該運転者の勤務状況]\n\nア 前日の勤務は、7 時から 19 時までの勤務であり、拘束時間が 12 時間であった。 その間の運転時間は 9 時間 15 分であり、当日までの休息期間は 12 時間であった。\n\nイ 翌日の勤務は、8 時から 20 時までの勤務であり、拘束時間を 12 時間とし、その間の運転時間は 9 時間を予定している。
1
E料金所からF料金所までの間の高速自動車国道の運転時間を2時間30分、及びG料金所からH料金所までの間の高速自動車国道の運転時間を3時間と制限速度を考慮してそれぞれ設定したこと。
2
当日を特定日とした場合の2日を平均した1日当たりの運転時間が、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)に違反していないと判断したこと。
3
当日の運行計画における連続運転時間の中断方法は、「改善基準」に違反していないと判断したこと。
解説

1.適切 道路交通法施行令第27条第1項第2号により、車両総重量が8トン以上、最大積載量が5トン以上の中型貨物自動車の場合、高速道路における最高速度は80㎞/hとされている。とすれば、E料金所からF料金所までの180㎞の距離を走行するためには、180㎞÷80㎞/h=2.25時間=135分で、少なくとも2時間15分必要であるから、運転時間を2時間30分としたことは適切であり、G料金所からH料金所までの210㎞の距離を走行するためには、210㎞÷80㎞/h=2.625時間=157.5分で少なくとも2時間38分必要であるから、運転時間を3時間としたことも適切である。

2. 適切 運転時間は、2日(始業時刻から起算して48時間をいう)を平均して1日当たり9時間を超えないこととされている。したがって「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」を算出し、どちらも9時時間を超える場合は基準違反と判断される。

 本選択肢の場合、前日の運転時間9時間15分、当日の運転時間の合計が8時間55分であり、翌日の運転時間は9時間を予定しているので、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」は、(9時間15分+8時間55分)÷2で9時間を超えているが、「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」は(8時間55分+9時間)÷2で9時間を超えていないため、改善基準に違反していない。

3. 適切でない 連続運転時間が改善基準に違反しているかどうかは、運転開始後4時間以内又は4時間経過直後に、30分以上の「運転の中断」をしているかどうかで判断する。なお、この30分以上の「運転中断」については、少なくとも1回につき10分以上(10分未満の場合、運転の中断時間としてカウントされない)とした上で分割することもできる。往路の運転状況を見ると、運転時間の合計が4時間に達した時点で25分しか運転の中断をしていないので、改善基準に違反している。復路についても、連続運転を4時間(高速道路での3時間+前後30分ずつ)した後に10分しか運転の中断をしておらず、改善基準に違反している。