寒冷療法の作用で正しいのはどれか。|理学療法士問題集

理学療法士

Q 35 : 
寒冷療法の作用で正しいのはどれか。
1
痛覚閾値の低下
2
血液粘稠度の低下
3
毛細血管透過性の亢進
4
組織の酸素需要量の減少
5
α運動ニューロンの活動抑制
解説

1-× 皮膚温が低下すると痛覚閾値は上昇する。寒冷刺激を加えると痛覚を伝達するAδ線維の神経伝達速度が低下し、疼痛を抑制する。

2-× 組織温度が低下すると赤血球の集合体形成が促進され、血液粘度を上昇させる。血液粘度が上昇する血管抵抗及び血液抵抗が高くなり、末梢循環血流速度が減少する。

3-× 炎症により毛細血管透過性が亢進する。それに対して寒冷療法を実施すると末梢循環血液量を減少させ、炎症物質の生成と遊離を抑制することによって組織静水圧を低下させ、血管透過性の亢進を抑制する。

4-○ 寒冷療法を実施することにより、組織エネルギー需要や酸素要求を抑制させ、末梢循環血液量が減少し血腫形成予防や浮腫予防につながる。

5-× 寒冷刺激により有髄線維や小径線維に対して活動電位発生頻度の減少を引きおこし、伝導速度を低下させる。運動神経ではγ線維の伝導速度低下やⅠa線維の発火率低下がおこる。