66歳の女性。右利き。階段から転落。転落直後は意識消失し|理学療法士問題集

理学療法士

Q 13 : 
66歳の女性。右利き。階段から転落。転落直後は意識消失していたが、数分後に意識回復。しばらくの間、意識は清明であったが、1時間後に手足の麻痺が出現し、再び意識が低下して昏睡になった。救急搬送時の頭部CT(別冊No.3)を別に示す。外科的手術が行われたが、片麻痺を伴う左大脳半球障害を残した。出現しやすい症状はどれか。
1
右の方ばかりを見る。
2
家族の顔が認識できない。
3
服の裏表を間違えて着る。
4
自分の右手足は動くと言う。
5
スプーンを逆さまに持って使う。
解説

1-× 通常、病巣側に共同偏視がみられる。本症例は左大脳半球の病巣であり、左への共同偏視が認められる。

2-× 親しい人物であっても誰か分からないことを相貌失認といい、右後頭葉の障害でみられる。

3-× 服を着用できないことを着衣失行といい、右頭頂葉の障害でみられる。

4-× 実際は動かない身体を動くと言い切ることを病態失認といい、右頭頂葉の障害でみられる。

5-◯ 物の使い方が分からなくなることを失行といい、左半球(優位半球)の障害でみられる。