66歳の女性。右利き。階段から転落。転落直後は意識消失し|理学療法士問題集

理学療法士

Q 12 : 
66歳の女性。右利き。階段から転落。転落直後は意識消失していたが、数分後に意識回復。しばらくの間、意識は清明であったが、1時間後に手足の麻痺が出現し、再び意識が低下して昏睡になった。救急搬送時の頭部CT(別冊No.3)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
1
髄膜腫
2
皮質下出血
3
くも膜下出血
4
脳動静脈奇形
5
急性硬膜下血腫
解説

1-× 髄膜腫は髄膜に出来る腫瘍のことで、CT所見として高吸収域・骨の肥厚・石灰化・副鼻腔拡大などが挙げられる。本症例では認められない。

2-× 皮質下出血は大脳皮質の下で出血するものであり、発症数分ではCT画像に白い血腫が、数時間後には脳実質と同じ黒色に写る。

3-× くも膜下出血はくも膜と軟膜の間のくも膜下腔を流れる髄液に、出血により血液が混ざり合うものである。CT画像では、くも膜下腔に高吸収域が認められる。

4-× 脳動脈奇形は妊娠中に脳の動脈と静脈が繋がった状態となる先天性の疾患である。造影剤を使用したCT所見では、脳血管の塊が、単純CT画像では薄く白い影がみられる。

5-◯ 急性硬膜下血腫は、硬膜とくも膜の間の硬膜下腔に血が溜まるものである。急性硬膜下血腫と慢性硬膜下血腫では症状やCT所見が異なり、急性は硬膜下腔に三日月様の高吸収域が、慢性は三日月様の低吸収域〜等吸収域、または高吸収域が認められる。