82歳の女性。脳卒中後の右片麻痺。プラスチック製短下肢装|理学療法士問題集

理学療法士

Q 407 : 
82歳の女性。脳卒中後の右片麻痺。プラスチック製短下肢装具を装着してT字杖歩行が可能である。装具は足尖までの長さで足継手はない。Brunnstrom法ステージでは上肢Ⅳ、下肢Ⅴ。右立脚後期が歩行周期の中で極端に短く安定性も低下している。装具に修正を加えたところ歩容は改善した。装具に加えた修正はどれか。
1
装具の高さをヒラメ筋の起始部付近まで低くした。
2
足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)した。
3
中足指節関節部から遠位を切除した。
4
アーチサポートを挿入した。
5
足部のベルクロの固定を緩めた。
解説

1-× 右立脚後期の安定性が低下していることから、装具の高さを下げるべきではない。また、短下肢装具の適切な高さは腓骨頭下部から少し遠位であるため、ヒラメ筋起始部とさほど変わらない。

2-× 右立脚後期の安定性が低下しており、足関節部をさらに固定するとたわみによる背屈運動が制限されてしまい、より一層安定性が低下してしまう。

3-◯ 立脚後期には足関節と足趾の底屈運動により安定性を向上させる必要がある。中足指節関節部から遠位を切除することで底屈運動が可能となり、安定性の向上につながる。

4-× アーチサポートの挿入は、立脚中期の安定性向上につながる。

5-× 足部のベルクロの固定を緩めると、足関節背屈が行いやすくなる。立脚後期は延長されるが、安定性には貢献しない。