脳卒中片麻痺患者の麻痺側の足背屈可動域を測定した結果を表|理学療法士問題集

理学療法士

Q 307 : 
脳卒中片麻痺患者の麻痺側の足背屈可動域を測定した結果を表に示す。解釈で正しいのはどれか。
1
ヒラメ筋の短縮がある。
2
分離運動の障害がある。
3
足の靱帯に疼痛がある。
4
腓腹筋の収縮時痛がある。
5
前脛骨筋の筋力はMMT2未満である。
解説

1-× ヒラメ筋は足関節底屈作用を有する単関節筋である。短縮していれば膝関節屈曲位・伸展位いづれの場合も足関節背屈可動域が制限される。

2-◯ 分離運動に障害がある場合、膝関節を伸展させると足関節が底屈・内反位を呈しやすく、背屈の自動可動域制限や他動運動の際に疼痛を生じやすい。

3-× 足の靭帯に疼痛がある場合、膝関節伸展位および屈曲位での疼痛が生じると考えられる。

4-× 腓腹筋は膝関節屈曲、足関節底屈作用を有する二関節筋である。収縮時痛は足関節底屈の際に出現するため、背屈可動域の測定結果からは確認できない。

5-× 前脛骨筋の筋力がMMT2であるということは、重力の影響が無ければ可動域全体に渡る運動が可能であることを示す。測定結果から、自動運動は重力に抗する形で全可動域に渡って可能であることが分かるため、本症例はMMT3以上であると考えられる。