株式上場にあたり証券取引所が審査を行う基準は形式基準と実|中小企業診断士問題集

中小企業診断士

Q 154 : 
株式上場にあたり証券取引所が審査を行う基準は形式基準と実質基準の2つから構成される。形式基準は、上場を申請するにあたって最低限クリアしなければならない一定の数値や事実を要件として設定されている。これに対して実質基準は、規則上は定性的な項目を示し、具体的な考え方を「手引き」や「ガイドライン」、「Q &A」の形で公表している。実質基準に関連する下記の設問に答えよ。 東京証券取引所の上場審査において、実質基準の「企業経営の健全性」の項目では、新規上場申請者の企業グループとその関連当事者との間に取引が発生している場合に、取引の合理性、取引条件の妥当性、取引の開示の適正性等を確認するとしている。新規上場申請会社(以下「会社」という。)と関連当事者との間で行われた取引に関する審査上の判断として、最も適切なものはどれか。
1
会社が、会社の役員I関連当事者Lに対し報酬の支払いを行っていたとしても、その報酬について財務諸表上で関連当事者との取引として開示を行わないことは問題はない。
2
会社が、会社の役員I関連当事者Lの所有する不動産を賃借しているが、直接の契約の相手方は外部の仲介不動産業者であるため、財務諸表上で関連当事者との取引として開示を行わないことは問題はない。
3
会社が、会社の役員を退職したオーナーI関連当事者Lを顧問に招聘し顧問料を支払う場合は、期待する役割やその達成状況、顧問料の算定根拠について確認できなくても問題はない。
4
会社が所有するビルの空きスペースを、会社の役員(関連当事者)が個人事業として営む飲食店に無償貸与することは、空きスペースでもあり問題はない。
解説

ア - ○ 正解 記述内容の通りである。

イ - × 財務諸表上で関連当事者との取引として開示を行う必要がある。

ウ - × 期待する役割やその達成状況、顧問料の算定根拠について確認できる必要がある。

エ - × 記述内容は、取引条件の妥当性が認められないため、問題である。