J さん(84歳,男性)は,20年前に脳梗塞(cereb|介護福祉士問題集

介護福祉士

Q 113 : 
J さん(84歳,男性)は,20年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し,後遺症で軽度の左片麻痺となった。屋内では, T字杖を使用すれば歩行できるが,転倒するのが心配で,ほとんど外出しなかった。1年ほど前から,夜よく眠れない,通院する曜日を間違える,薬を飲み忘れるなどの状態になり,血管性認知症(vascular dementia)と診断された。半年前から夜間の不穏状態や妻への暴力行為がたびたび出現するようになり,妻が介護しきれなくなって, Jさんは介護老人福祉施設に入所することになった。入所後も施設内はT字杖を使用して,歩行は可能であった。しかし,慣れない場所で,より不安が強くなっているようすであった。Jさんは妻との面会には穏やかに接する日と,暴力的な行動をとる日がある。このようなJさんの症状に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1
認知症(dementia)の人に共通してみられる。
2
この症状を中核症状とよんでいる。
3
本人の身体的な要因や,周囲の状況が影響を与える。
4
この症状は認知症(dementia)が進行しても変化しない。
5
認知症(dementia)の初期症状に起こりやすい。
解説

1 - ×共通してみられる症状は、記憶障害や見当識障害、失認・失行などである。

2 - × その日の気分や周囲の環境因子により出現するものでBPSD(行動・心理症状)である。

3 - ○ 記述の通り、身体、生活環境が大きく影響する。

4 - × 段階的に進行し、症状の変化がみられる。

5 - × 血管性認知症の初期症状にみられるのは、頭痛やめまい・手足のしびれ・軽い記憶障害である。