中小企業診断士

2012
Q 136 :  株主管理のコストに関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、顧客である株式会社の代表取締役甲氏との間で、平成24年 6月 6日に行われたものである。その前提で、会話中の空欄に当てはまる語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 甲氏:「実は、当社では、株主管理のためのコストが問題となっていまして…。」 あなた:「御社の株主の状況はどうなっていましたっけ。」 甲氏:「この書面のとおりです。」 あなた:「ええっ、本当ですか…。この1株ずつ持っている500名はどういった人ですか 。」 甲氏:「取引先の経営者かその関係者です。何十年も前に、取引先にも株を持ってもらおうということで、先代の社長が実施しまして、当社は資本金が5,000万円しかないのに、株主は約500名という形になりました。これでも当初は取引先とも関係がよくなるなどメリットは多かったのですが、その後の長い間に取引先も代替わりや廃業などがあって、現在では、メリットは失われ、毎年の株主総会の招集通知を送るコストだけでもばかにならないよという話になってきまして。」 あなた:「なるほど。そうしますと、[A] あるいは[B] を利用することが考えられると思います。」 甲氏:「そうするとどうなるのですか。」 あなた:「どちらでも、例えば、今の10 株を1つのまとまりにしてしまう、といったことができます。そうすると、その他500 名の方に、株主総会の招集通知を送る必要がなくなります。」 甲氏:「2つの方法では何が違うのですか。」 あなた:「[A] の場合、これらの500 名の方は、最終的には、お金が支払われ、御社の株主ではなくなります。[B] の場合は、買取請求をされたりした場合には株主でなくなりますが、そうでなければ、これらの500名の方も株主であり続けます。」 甲氏:「今年の招集通知を送らなくても済む方法を使いたいのですが。」 あなた:「残念ながら、どちらの方法も、株主総会での特別決議がないと実施できないので、最短でも、今回の総会で承認決議をしてからということになります。」 【甲氏が持参した書面】 当社株式 合計 1万株 (内訳) 甲6,200 株 X氏2,200 株 Y氏1,000 株 Z 氏100 株 その他500名 各1株
Q 137 :  いわゆる濫用的会社分割に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX株式会社の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X株式会社がA設備株式会社に対して売掛金を請求する場合の法的根拠として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、以下の会話中、A社とはA株式会社のことをいう。  甲氏:「取引先のA社から、支払いがなくなったんですよ。それであわてて、A社の本社に行ってみたら、A社という会社の看板はなくなっていて、代わりに、A社と全く同じ設備、同じ人で、名前だけがA設備株式会社という名前になって、同じ営業をしていたんです。それでどういうことだと思って話を聞いてみたら、会社分割という方法を使って、今度からはA設備株式会社がここで営業をする、と言うんですよ。それなので、うちの売掛金も払ってもらえるもんだと思って話をしてみたら、A設備株式会社は、A社とは別の会社だから支払えない、A 社は閉めてしまった、と言うんです。」 あなた:「それはやられましたね。濫用的会社分割などと言われているものだと思います。」 甲氏:「濫用的会社分割…。それはどういったものですか。」 あなた:「資産を別会社に移して、従来の負債はそのまま元の会社に残しておいて、実質的に債務を免れるものです。」 甲氏:「どうしてそんなことができるんですか。債権者に連絡したりしないといけないんじゃないですか。」 あなた:「元の会社が負債の全部の支払を引き受けるときには、元の会社の債権者への連絡はいらないんですよ。今回の場合も、A社が全部の債務を負うということにしていれば、何の連絡もなく、会社分割ができてしまうんですよ。」  甲氏:「そうすると、彼らの言うとおり、もうA設備株式会社には請求ができないということですか。」 あなた:「いえ、必ずしもそうではありません。何か方法があるはずです。知り合いの弁護士を紹介しますから相談してみてください。」
Q 139 :  中小企業診断士であるあなたと、顧客である甲氏との間の遺産分割に関する以下の会話を読んで、あなたの回答として空欄に当てはまる最も適切なものを下記の解答群から選べ。 甲氏:「実は、私の友人のAさんに私の会社から300万円貸していたんですよ。ところが、そのAさんは、 1年ほど前に亡くなってしまって…。Aさんの奥さんはもうお亡くなりになっているんですが、息子さんが2人いるんです。それで、たまたま、次男のほうは、大きな会社に勤める人で知っていたものですから、Aさんに貸したお金を返して欲しいという話を3 か月くらい前にしに行ったんですよ。 そうしたら、その次男が言うには、去年の夏に、長男と次男で、遺産分割協議をして、全部長男が相続することになった、だから、自分は支払う必要はないはずだ、って言うんですよ。それで、その次男からは、司法書士に作ってもらったという遺産分割協議書も見せられたんですが、確かに、長男と次男の連名で実印も押してあって、長男が全部相続して次男は何も相続しないことになっていたんです。 ですので、先日、長男の家を訪ねたのですが、長男はリストラにあってしまって、お金がないので、返したくても返せないと言うんですよ。 次男は、大きな会社に勤めているので、返す能力はあると思うのですが、次男に請求することはできないんでしょうかね…。」 あなた:「□。弁護士を紹介しますからご相談されてはいかがですか。」
Q 143 :  以下の記述は、ある条約に関するものである。この条約の名称として最も適切なものを下記の解答群から選べ。 この条約について日本は1978年7月1日に加入書を寄託しており、同年10 月1日付で日本について効力を発生した。 この条約に基づく国際出願とは、ひとつの出願書類をその規則に従って提出することにより、加盟国であるすべての国(2011年9 月1日現在144カ国)に同時に出願したことと同じ効果が得られる。しかし、出願人が特許を取得したい国を指定国として願書に記載をするのが通例である。  ある発明に対して特許権を付与するか否かの判断は、各国がそれぞれの特許法に基づいて行う。従って、特定の国で特許を取得するためには、その国に対して直接、特許出願を行うことが必要となる。 経済と技術のボーダレス化を背景として、多くの国で製品を販売したい、模倣品から自社製品を保護したい、等の理由から特許を取得したい国の数は増加する傾向にある。特許を取得したいすべての国に対して個々に特許出願を行うことはとても煩雑であり、更に先願主義のもと、特許出願は一日でも早く行うことが重要である。たとえ、出願日を早く確保しようとしても、すべての国に対して同日に、それぞれ異なった言語を用いて異なった出願書類を提出することは、ほぼ不可能といえる。  この条約による国際出願では、国際的に統一された出願書類を加盟国である自国の特許庁に対して 1通だけ提出すれば、その国際出願はすべての加盟国に対して「国内出願」を出願したことと同じ扱いを得ることができる。しかしながら、この条約では、あくまでも出願手続きを簡素化したものに過ぎず、特許要件の審査は、各国毎の特許法により行われるものであり、いわゆる「世界特許」ではないことに注意を要する。
Q 148 :  特許権を取得した会社の専務取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間の、特許権のライセンスに関する以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。 甲氏:「知財担当の主任から聞きましたが、平成24年4月から特許法の改正法が施行されて、特許権のライセンスについて登録制度が変更されたそうですね。」 あなた:「はい。特許権の[A] の設定を受けたライセンシーが、特許権を譲り受けた第三者に自らの権利を対抗するため、これまでは特許庁にその権利の登録をする必要がありました。今後、ライセンシーは登録なしで[A] を特許権の譲受人に対して当然に対抗できることになります。」 甲氏:「当社はライセンシー側でもありますが、登録制度を利用していませんでした。」 あなた:「また、破産手続のことを考えると、破産管財人は破産手続開始時点で[B] である破産者・第三者間の双務契約を解除できるのが原則ですが、ライセンス契約においては、たとえ[C] が破産しても[A] について対抗要件が備わっていれば、破産管財人は[A]の設定契約を解除できません。今回の特許法改正により、特許権者から[A] の設定を受けたライセンシーはその後特許権者が破産しても、破産管財人に当然に対抗できます。ライセンスを受けた技術を安心して利用し続けられますし、特許権のライセンスビジネスでの活用の幅も広がります。」 甲氏:「だけど、せっかく第三者が特許権を買い取っても、特許庁の登録を見ても分からないライセンシーへのライセンスを打ち切れないわけですよね。それって特許権を活用したファイナンスとかM&Aの妨げになりませんか。」 あなた:「企業買収の際には、買収企業側が被買収企業側にデュー・ディリジェンスを実施し、被買収企業側からの『Š開示したライセンシーがすべてであり、開示されないライセンシーは存在しない‹』という[D] 条項をおけば、買収側としては一応のリスク回避が可能です。ただ、おっしゃるとおり、隠れたライセンシーの存在やライセンス日付のバックデートの可能性が、特許権を活用した資金調達のマイナス要因になりかねないという指摘はあります。」 甲氏:「それに、特許権の譲渡後に譲渡人が新たなライセンシーとライセンス契約を結んでしまったりした場合、ライセンシーは[A] を特許権の譲受人に主張できますか。」 あなた:「特許法の条文上は、ライセンシーは[E] 後に特許権を取得した第三者にその権利の効力を主張できますから、[F] が特許権の移転登録より先であれば、[A] の方が優先します。」 会話中の空欄A〜Cに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
Q 149 :  特許権を取得した会社の専務取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間の、特許権のライセンスに関する以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。 甲氏:「知財担当の主任から聞きましたが、平成24年4月から特許法の改正法が施行されて、特許権のライセンスについて登録制度が変更されたそうですね。」 あなた:「はい。特許権の[A] の設定を受けたライセンシーが、特許権を譲り受けた第三者に自らの権利を対抗するため、これまでは特許庁にその権利の登録をする必要がありました。今後、ライセンシーは登録なしで[A] を特許権の譲受人に対して当然に対抗できることになります。」 甲氏:「当社はライセンシー側でもありますが、登録制度を利用していませんでした。」 あなた:「また、破産手続のことを考えると、破産管財人は破産手続開始時点で[B] である破産者・第三者間の双務契約を解除できるのが原則ですが、ライセンス契約においては、たとえ[C] が破産しても[A] について対抗要件が備わっていれば、破産管財人は[A]の設定契約を解除できません。今回の特許法改正により、特許権者から[A] の設定を受けたライセンシーはその後特許権者が破産しても、破産管財人に当然に対抗できます。ライセンスを受けた技術を安心して利用し続けられますし、特許権のライセンスビジネスでの活用の幅も広がります。」 甲氏:「だけど、せっかく第三者が特許権を買い取っても、特許庁の登録を見ても分からないライセンシーへのライセンスを打ち切れないわけですよね。それって特許権を活用したファイナンスとかM&Aの妨げになりませんか。」 あなた:「企業買収の際には、買収企業側が被買収企業側にデュー・ディリジェンスを実施し、被買収企業側からの『Š開示したライセンシーがすべてであり、開示されないライセンシーは存在しない‹』という[D] 条項をおけば、買収側としては一応のリスク回避が可能です。ただ、おっしゃるとおり、隠れたライセンシーの存在やライセンス日付のバックデートの可能性が、特許権を活用した資金調達のマイナス要因になりかねないという指摘はあります。」 甲氏:「それに、特許権の譲渡後に譲渡人が新たなライセンシーとライセンス契約を結んでしまったりした場合、ライセンシーは[A]を特許権の譲受人に主張できますか。」 あなた:「特許法の条文上は、ライセンシーは[E] 後に特許権を取得した第三者にその権利の効力を主張できますから、[F] が特許権の移転登録より先であれば、[A] の方が優先します。」 会話中の空欄D 〜Fに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
Q 152 :  電子部品メーカーX株式会社(以下「X社」という。)の資金調達に関する、X社社長甲氏と中小企業診断士であるあなたとの間の以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、あなたの発言の下線部①〜④のうち、2つには誤りが含まれている。 甲氏:「この間、メインバンクから、大口の取引先への売掛金を、現在掛売りしている分だけでなく、今後発生する取引の分もまとめて担保に差し出せと言われたんだけど、そんなことできるの。」 あなた:「集合債権の譲渡担保という方法があります。担保提供を受けた銀行は、[A] 登記に加えて、登記事項証明書交付による[B] がされれば、他の債権者に対しても売掛先に対しても、将来発生する売掛債権も含めて、担保権者として優先弁済を受ける権利を主張できます。①つまり、担保権者は、融資先の期限の利益が喪失した時点で少なくとも具体的に発生している売掛債権については、融資先に担保権の実行通知を出して売掛債権の取得や処分ができますし、弁済期の到来した売掛先には直接取立てができるので、一般債権者に優先して債権回収ができます。」 甲氏:「へえ、そうなんだ。あと、同業のY社は代理店になっているメーカーの意向で、電子手形というのを始めたらしいんだけど、これって要するに紙の手形が要らなくなるってやつでしょ。」 あなた:「そうですね。紙の手形の代わりに、[C] の電子記録で債権の発生や譲渡が管理されるので、債権管理のコスト削減にもつながりますし、コンピュータのセキュリティを確保しておけば、紙の手形のような証券の紛失・盗難や偽造のリスクもありません。 ②債務者が電子記録名義人に支払いさえすれば重大な過失がない限り免責されることや、金融機関に持ち込んで割引を受けるときに債権金額の分割ができないことは、紙の手形と同様です。」 甲氏:「資金調達の手段が便利になったのはいいけど、作った製品が売れないことには借金を返すめども立たん。わが社はガラケー(※ガラパゴス携帯電話)全盛時代に専用設備の投資にシフトし過ぎたから、Y社のようにスマホ(※スマートフォン)のタッチパネル製造用に機械を更新する資金的な余裕もない。このままだと資金ショートで即アウトになりかねないから、何とか会社を生き残らせるために、民事再生とかも考えないと。」 あなた:「そうですね。③民事再生であれば、再生手続開始後も会社の業務遂行権や財産の管理処分権は維持されますから、経営者自身が企業の再建を進めていけるのが原則です。裁判所によって選任された監督委員の同意が必要な行為もありますけどね。あと、④民事再生手続が開始されれば、債権譲渡担保のような担保権についても、再生手続の中に組み込まれ、担保権者は届出をして再生手続に参加しない限り、担保権を実行することができませ ん。」 会話中の空欄A〜Cに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
Q 153 :  電子部品メーカーX株式会社(以下「X社」という。)の資金調達に関する、X社社長甲氏と中小企業診断士であるあなたとの間の以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、あなたの発言の下線部①〜④のうち、2つには誤りが含まれている。 甲氏:「この間、メインバンクから、大口の取引先への売掛金を、現在掛売りしている分だけでなく、今後発生する取引の分もまとめて担保に差し出せと言われたんだけど、そんなことできるの。」 あなた:「集合債権の譲渡担保という方法があります。担保提供を受けた銀行は、[A] 登記に加えて、登記事項証明書交付による[B] がされれば、他の債権者に対しても売掛先に対しても、将来発生する売掛債権も含めて、担保権者として優先弁済を受ける権利を主張できます。 ①つまり、担保権者は、融資先の期限の利益が喪失した時点で少なくとも具体的に発生している売掛債権については、融資先に担保権の実行通知を出して売掛債権の取得や処分ができますし、弁済期の到来した売掛先には直接取立てができるので、一般債権者に優先して債権回収ができます。」 甲氏:「へえ、そうなんだ。あと、同業のY社は代理店になっているメーカーの意向で、電子手形というのを始めたらしいんだけど、これって要するに紙の手形が要らなくなるってやつでしょ。」 あなた:「そうですね。紙の手形の代わりに、[C] の電子記録で債権の発生や譲渡が管理されるので、債権管理のコスト削減にもつながりますし、コンピュータのセキュリティを確保しておけば、紙の手形のような証券の紛失・盗難や偽造のリスクもありません。 ②債務者が電子記録名義人に支払いさえすれば重大な過失がない限り免責されることや、金融機関に持ち込んで割引を受けるときに債権金額の分割ができないことは、紙の手形と同様です。」 甲氏:「資金調達の手段が便利になったのはいいけど、作った製品が売れないことには借金を返すめども立たん。わが社はガラケー(※ガラパゴス携帯電話)全盛時代に専用設備の投資にシフトし過ぎたから、Y社のようにスマホ(※スマートフォン)のタッチパネル製造用に機械を更新する資金的な余裕もない。このままだと資金ショートで即アウトになりかねないから、何とか会社を生き残らせるために、民事再生とかも考えないと。」 あなた:「そうですね。③民事再生であれば、再生手続開始後も会社の業務遂行権や財産の管理処分権は維持されますから、経営者自身が企業の再建を進めていけるのが原則です。裁判所によって選任された監督委員の同意が必要な行為もありますけどね。あと、④民事再生手続が開始されれば、債権譲渡担保のような担保権についても、再生手続の中に組み込まれ、担保権者は届出をして再生手続に参加しない限り、担保権を実行することができません。」 会話中のあなたの発言の下線部①〜④のうち、正しい発言の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
Q 194 :  次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 経済の閉そく感が強まる中で、経済の新陳代謝や雇用の創出につながる起業を促進する必要性が高まっている。しかしながら、総務省「事業所・企業統計調査」や「経済センサス-基礎調査」によれば、企業単位でも事業所単位でも、わが国では1980 年代後半から開業率が廃業率を下回る状況が続いており、米国や英国と比べても起業活動は低い水準にあるのが現状である。  もっとも、①すべての業種で開業率が廃業率を下回っているわけではない。また、総務省「就業構造基本調査」によれば、2007年時点で起業希望者と起業準備者をあわせて②100万人を上回る潜在的な起業家が存在しており、起業に関心を持つ人たちは多い。起業を促進するためには、こうした潜在的な③起業家の抱えるさまざまな課題を除去していくことが重要であろう。  文中の下線部①について、総務省「事業所・企業統計調査」に基づき、業種別の開廃業率(2004〜2006年、企業単位、年平均)を見た場合、開業率から廃業率を差し引いた値が大きいものから小さいものへと並べた組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 a 医療・福祉 b 教育・学習支援業 c 情報通信業
Q 195 :  次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 経済の閉そく感が強まる中で、経済の新陳代謝や雇用の創出につながる起業を促進する必要性が高まっている。しかしながら、総務省「事業所・企業統計調査」や「経済センサス-基礎調査」によれば、企業単位でも事業所単位でも、わが国では1980 年代後半から開業率が廃業率を下回る状況が続いており、米国や英国と比べても起業活動は低い水準にあるのが現状である。 もっとも、①すべての業種で開業率が廃業率を下回っているわけではない。また、総務省「就業構造基本調査」によれば、2007年時点で起業希望者と起業準備者をあわせて②100万人を上回る潜在的な起業家が存在しており、起業に関心を持つ人たちは多い。起業を促進するためには、こうした潜在的な③起業家の抱えるさまざまな課題を除去していくことが重要であろう。 文中の下線部②について、総務省「就業構造基本調査」に基づき、起業家および起業希望者の性別および年齢別構成(2007 年)を見た場合、最も適切なものはどれか。なお、ここで、起業家とは過去 年間に職を変えたまたは新たに職に就いた者のうち、現在は自営業主(内職者を除く)となっている者をいう。また、起業希望者とは有業者の転職希望者のうち「自分で事業を起こしたい」と回答した者および無業者のうち「自分で事業を起こしたい」と回答した者をいう。