介護福祉士

第29回
Q 68 :  次の事例を読んで,問題68について答えなさい。\n【事例】\nEさん(67歳,女性,要介護3)は,1年前,くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)で倒れて,左片麻痺(ひだりかたまひ),体幹機能の低下が残った。排泄訓練(はいせつくんれん)を目的として介護老人保健施設に入所した。入所時のEさんは,不自由でも,右手でベッド柵を掴(つか)んで起き上がることやベッドの端に座ることはできたが,立位保持はできなかった。おむつを着用しているが,「おむつは嫌」と自分の気持ちを訴えていた。医師は着脱と拭く行為には介助が必要だが,車いすから便座に移ることは可能であると判断した。F介護福祉職はアセスメント(assessment)を行い,本人の思いを考慮して介護計画の短期目標を,「車いすから便座に移り排泄(はいせつ)する」と設定して,評価日は1か月後とした。理学療法士と連携して,トイレで移乗のための立位訓練を始めた。\n2週間が過ぎた頃,思うような成果が出なくて,Eさんは嫌気がさしてきた。複数の介護福祉職からEさんの訓練拒否が報告されるようになった。F介護福祉職がEさんに理由を尋ねると,「あまり人の世話になりたくない。みんなに迷惑がかかるのでおむつのままでいいわ」と言った。Eさんのニーズとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
Q 116 :  次の事例を読んで,問題116について答えなさい。\n【事例】\nJさん(80歳,男性,要介護2)は,2年前に脳梗塞(cerebral infarction)を起こして,左片麻痺(ひだりかたまひ)になった。Jさんは,自宅で妻(80歳)と過ごしたいと訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して,二人で暮らしていた。Jさんは,数か月前に肺炎(pneumonia)を起こして入院した。炎症症状は消失したが,MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌した状態で退院した。退院後のJさんは,なんとか立位がとれる状態である。排泄(はいせつ)は,ポータブルトイレを利用して,妻が介助している。尿意はあり,1日の尿の回数も正常である。しかし,日が経(た)つにつれて,妻には日に何回も行う立ち上がりや,ズボンや下着の上げ下ろしの介助は負担になり,時間がかかってJさんが失禁してしまうことも増えてきた。\n妻の介護負担は増してきている。妻は自分も高齢なことから,介助ができなくなったときにどうすればいいのか心配になってきた。通ったり,泊まれたり,自分の体調不良時にも自宅を訪問してくれるサービスを利用したいと考えている。妻の希望に沿ったサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
Q 122 :  次の事例を読んで,問題122ついて答えなさい。\n【事例】\nLさん(25歳,男性,障害支援区分5)は,大学2年生の時,交通事故が原因で頸髄損傷(けいずいそんしょう)(cervical cord injury)となった。現在は毎日,居宅介護を利用しながら,母親と生活している。Lさんは四肢麻痺(ししまひ)のため自分で体を動かすことができずに,多くの時間をベッドで過ごしている。リクライニング式車いすに移乗するときは,移乗リフトを使用している。Lさんは,母親の腰痛が悪化していることを知っているので,母親に介助を頼むことを遠慮している。そのため,介護福祉職が来たときに,リクライニング式車いすに乗せてもらっている。Lさんは車いすで座位になると,たびたび起立性低血圧で気分が悪くなる。日中はマウススティックを使用して,パソコンで友人とメールのやり取りを楽しんでいる。最近はパソコン教室に週1回は通いたいと考えて,「長時間の外出時の移動の介護をお願いしたいがどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。\n介護福祉職は,Lさんがパソコン教室に通うことができるように,相談支援専門員にサービス等利用計画の変更を相談したいと考えている。Lさんが利用できるサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。