保育士

平成23年
Q 102 :  次の文のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」の2「保育所の役割」の一部として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A保育所は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定に基づき、保育に欠ける子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、(以下略)。B保育所は、その目的を達成するために、保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、養護と教育をそれぞれに行い、教育に関する事項は環境を通して行うことを特性としている。C保育所は入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進するために、各年齢ごとに定めた教育の目的を達成することを保育の特性としている。D保育所は、入所する子どもの保育を行うとともに、保育所独自で、入所する子どもの保護者や地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担う。E保育所における保育士は、児童福祉法第18条の4の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものである。
Q 105 :  次の【Ⅰ群】は、世界の保育思想の歴史に関する記述である。これと、【Ⅱ群:著書名】、【Ⅲ群:人名】を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。【Ⅰ群】①施設に入所している子どもたちの心理・情緒、身体発達などの調査を通して、長期に母性や養護を奪われた状況が続けば人格形成や情緒の発達に深刻な影響がもたらされることを明らかにし、乳幼児にとっては、養育する者との情緒的な絆が健全な発達の基盤となるという「愛着理論」を展開した。②「自然の教育」(能力や身体器官の内部発展)、「事物の教育」(実物による経験教育)、「人間の教育」(「自然の教育」を基礎にした教育)を説き、無用な教えや干渉を排した「消極的教育」にもとづく「自己統制、自己教育」を主張した。③「近世初頭には、子どもたちは、母親ないし乳母の介助が要らないとみなされるとただちに、すなわち遅い離乳の後何年もしないうちに、7歳ぐらいになるとすぐ大人たちと一緒にされていた。この時から、子どもたちは一挙に成人の大共同体の中に入り、老若の友人たちと共に、日々の仕事や遊戯を共有していたのである。」と記している。【Ⅱ群】A 乳幼児の精神衛生 B 隠者の夕暮 C エミール D 人間の教育 E 子供の誕生 F学校と社会【Ⅲ群】 ア デューイ(Dewey,J.) イ ルソー(Rousseau,J.-J.) ウ アリエス(PhiliPPeAriès) エ ボウルビィ(Bowlby,J.) オ フレーベル(Fröbel,F.W.)
Q 117 :  次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】Mちゃん(2歳半)は、保育所で毎日のように友達にかみついてしまいます。おもちゃの取り合いや、ふざけていてかむなら理由がはっきりしていて対応の方法も考えられますが、Mちゃんの場合は突然かみついて理由がわかりません。かまれて泣いている子どもの様子を見せ、泣いている子どもの気持ちを代弁して「いたいからかまないでね」とやさしく注意するのですが、かみつきはおさまりません。【設問】保育士の対応として、「保育所保育指針」に規定される保育の方法に係る基本原則に沿った対応を○、沿っていない対応を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。【保育士の対応】A理由を理解するよりも、他の子どもたちの被害を少なくすることを優先して、Mちゃんから目を離さず、かみそうな気配の時は素早く止める。B理由がわからないので、Mちゃんに対してかまれた子どもの気持ちを代弁して、厳しく叱る。C理由を見逃しているのかもしれないので、よく観察を続ける。D他の子どもに被害が及ばないように、Mちゃんを別の場所に隔離して、2歳頃の子どもの好きそうな遊びを提供する。E Mちゃんの気持ちをその時々に応じて汲み取り、「これで遊びたかったの?」などとMちゃんの表現したかった気持ちを受け止めるよう努力する。F子どもがかむ理由は、家庭に問題があり情緒不安定になっているからであり、保護者面談を計画する。
Q 118 :  次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】Mちゃん(2歳半)は、保育所で毎日のように友達にかみついてしまいます。おもちゃの取り合いや、ふざけていてかむなら理由がはっきりしていて対応の方法も考えられますが、Mちゃんの場合は突然かみついて理由がわかりません。かまれて泣いている子どもの様子を見せ、泣いている子どもの気持ちを代弁して「いたいからかまないでね」とやさしく注意するのですが、かみつきはおさまりません。【設問】子どものかみつきに対応する際の考え方として、「保育所保育指針」に規定される保育の方法に係る基本原則に沿った考え方を○、沿っていない考え方を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。【対応する際の考え方】A子どもはことばが通じないことが多いが、他者を傷つけるかみつきは厳しく叱ることが重要である。B保育所は、一人の子どものためのものではなく、保育所に通うすべての子どもの生活の場であるので、安全の確保のためには、かみつきがおさまるまで隔離することが大切である。C 2歳前後は自らの気持ちをことばで表現することが十分ではなく、かみつきも自己表現の一つとして、子どもの気持ちを受け止めていく。D 2歳前後の子どもはことばで自己を表現することが難しい過程にあるので、かむことは仕方ないことであり、子どもが発達するのを待つ。Eかまれた子どもだけではなく、かんだ子どもの気持ちも保育士が表現して伝えながら、かまなくても気持ちを伝えられるようにしていく。