福祉の原理をめぐる哲学,とりわけ自由と平等に関する次の記|社会福祉士問題集

社会福祉士

Q 23 : 
福祉の原理をめぐる哲学,とりわけ自由と平等に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1
リバタリアニズム,とりわけ右派の思想は,他者からの束縛,強制から解放されることが最も重要であるという積極的自由の概念を中核にしているため,福祉制度の拡充には否定的である。
2
古典的自由主義が自由放任を重んじるのに対して,新自由主義は自由を実現できる機会が個人に付与されるべきであり,その限りにおいて国家の福祉的介入が必要であるとする新しい観点を掲げている。
3
パターナリズムは,個々人の自由よりも類としてのまとまりを重視しているため,類別に類型化された一律の福祉的介入を推奨し,その範囲内で限定的に個人の自由を認めている。
4
レスポンシブ・コミュニタリアニズムは,社会善をなすためにコミュニティ全体の秩序と個々人の権利の尊重との聞の調和が必要であるとの立場で,福祉制度の推進において市民社会の役割を重視している。
5
フェミニズム運動は,第一波では,家庭をはじめとする私的領域での男性との平等を求めたが,20世紀中期以降の第二波では,女性の解放のためのさらなる手段として,公的領域,特に教育,雇用,福祉,政治における男性との平等な機会を求めるようになった。
解説

4 - 〇 レスポンシブ・コミュニタリアニズムは、コミュニティ全体の秩序を重視し、共有している善を追求する考え方で、応答的共同体主義などとも訳される。「善の確立」が共同体を通して促されることに着目している。それに対してロールズなどは、自由主義に基づき「個人の善」の追求を提唱した。