環境問題のとらえ方に関する次の記述のうち,正しいものを1|社会福祉士問題集

社会福祉士

Q 21 : 
環境問題のとらえ方に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1
自然環境主義とは,生活上の知識や経験の集成である生活文化,地域に固有の環境への働きかけの伝統をもとに,当該地域の居住者の生活の立場から環境問題の所在や解決方法を考えようとする立場である。
2
自然資源の共同管理制度及び共同管理の対象である資源そのものを意味するコモンズは,環境資源の慣習的な共同管理制度を持つ伝統社会では環境保全に役立つていたが,私有財産制の社会には存在しない。
3
環境問題では,被害・苦痛を被る範囲である受苦圏と利益・便益を受ける範囲である受益圏とが一致しないことが多いなか,ニンビー(NIMBY)と呼ばれる社会運動が提起されると,その多くは社会的理解を得て,問題解決の促進に役立っている。
4
環境問題では,低所得層や人種的マイノリティなど社会的弱者に対して被害が集中することがある。このような不平等を是正し,あわせて環境からの便益の分配における不平等も是正しようという考え方を環境正義という。
5
経済成長と環境保全は二律背反的なものであり,技術革新によって環境保全を図ることはできるが,同時に経済成長も持続していくことはできないという考え方をエコロジー的近代化という。
解説

4 - 〇 環境正義とは、「環境保護・保全」と「社会正義・公正」をともに追求する概念である。かねてから指摘されてきた環境破壊の環境負荷や環境リスクが社会的弱者や後進地域に転嫁されたり、偏って分布される状況の不当性を訴え、環境保安と社会正義 ・ 公正 ・ 平等の達成を求める。OECD及び国連環境計画(UNEP)は1989年3月(スイスのバーゼルにおいて)先進国から発展途上国への一定の有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分を規制する「パーゼル条約」を採択した。(1992年5月5日に発効)