社会福祉士
Q 12 :
臨界期に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
推定11-12歳で発見されたアヴェロンの野生児は,医師イタールによる熱心な教育の結果,基本的生活習慣のほか同年齢の子どもがもつ言語能力を身に付けた。
乳児期に白内障などにより視力を失った人が,成人期以降に開眼手術で目が見えるようになると,物の形を認識することもできるようになる。
ハイイロガンのヒナは,孵化直後の臨界期に出会った運動体に対して,後追い行動をする。
未成熟な人格であれば,神経回路の再組織化は比較的容易になされるが,臨界期を過ぎると困難になる。
乳児期において何らかの原因で,長時間,片眼が閉じられた状態に置かれた場合であっても,永続的な弱視になるようなことはない。
解説
3 - 〇 離巣性の鳥類のヒナには、孵化後の限られた時期に目にした、自分より大きく動くものを追うという行動がみられる。(母鳥でなくてもよい)この現象は「インプリンティング」「刷り込み」「刻印づけ」とよばれ、動物行動学者のローレンツが提唱した概念である。この行動は人間にもみられ、生後しばらくの間にどの人が親か刷り込まれる時期(臨界期)があり、その時期に親との絆もつくられると考えられる。乳幼児期に養育者から教えられたことが、その子供の基盤となるとも考えられているが、動物のインプリンティングほど強烈ではなく、あとで覚え直しができるともいわれている。