社会福祉士
Q 23 :
福祉社会の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
スウェーデンでは,1960年代初頭に福祉サービスを体系化した社会サービス法が制定され,それに基づき高齢者福祉や児童福祉のサービスが急速に発展した。
日本では,1960年代のいわゆる国民皆年金の成立を踏まえて,それを補完する形で企業による退職一時金制度の整備が行われ始めた。
アメリカでは,1960年代に,貧困層への対策として,食糧補助のためのフード・スタンプ制度や就学前教育としてのヘッド・スタート計画などが導入された。
イギリスでは,1970年代まで母子世帯の母親は自らが稼ぎ手役割を果たすことが自立であるとする政策理念のもとに,就労促進策が展開された。
ドイツでは,1980年代の失業長期化への対応として,失業保険での失業手当の請求権を有しない者に対してミーンズ・テスト付きでの給付を行う失業扶助制度が導入された。
解説
3 - ○ アメリカの農務省のフードスタンプ(正式名称はSNAP=Supplemental Nutrition Assistance Program、食糧配給券)制度は、低所得階層に向けた食料費補助政策である。給公的補助制度の1つで、通貨と同様に利用できるバウチャー(金券)を交付し、食料品と交換できる制度。最低限度の生活保護が目的のため、嗜好品(タバコやアルコールなど)には利用できない。また、ヘッドスターター企画は、貧困階層の未就学児童に早期学習環境を用意することである。両制度も、アメリカ政府支援のもとに創設されたプログラムで、1964年にジョンソン大統領が提唱した「貧困との戦い」の一貫として実施している。