事例を読んで,成年後見人であるL社会福祉士の法的な権限に|社会福祉士問題集

社会福祉士

Q 28 : 
事例を読んで,成年後見人であるL社会福祉士の法的な権限に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。〔事 例〕要介護2 の認定を受けていたMさんの認知症が悪化したため,L社会福祉士が,Mさんの成年後見人に選任された。これまで,Mさんは長年住み慣れた借家で,訪問介護を利用し,独居生活を行ってきていたが,認知症の進行に伴って,ガスコンロの消し忘れでボヤをおこすなど,独居生活に不安がみられるようになっている。また,Mさんには白内障がある上,最近は体力も低下しており,体調をくずして家で寝込むことが多くなっている。
1
Mさんの意思に反していても,介護保険施設に強制的に入所させることができる。
2
Mさんの同意があれば,家庭裁判所の許可なく借家契約を解約できる。
3
Mさんの状態の変化を理由に,要介護度の区分変更を申請できる。
4
Mさんの白内障の手術のために,医療同意権を行使することができる。
5
Mさんの預金を下ろして,過熱防止などの安全装置付ガスコンロに買い替えることができる。
解説

成年後見人の職務は、、本人の生活の為に維持のために介護サービスや治療が受けられるよう手配することなど、与えられた権限の中で本人に代わって必要なサービスを手配すること。本人に代わって財産を維持管理したり、本人のために処分したりすること。それにあたって、本人の意志を尊重すること、本人の心身の状態、生活状況に配慮するという義務がある。また、家庭裁判所の許可なく、本人に代わって居住している土地や建物の売却や、抵当権の設定、賃貸、賃借している時の契約解除はできないとされている。医療同意見に関しては、現行法では医療契約締結権はあるが、同意権はないとされている。