社会福祉士
Q 20 :
〔事例〕Gさん(70歳,男性)は独居で身寄りがなく,初期認知症及びADL低下のため日常生活自立支援事業(以下「支援事業」という。)及び訪問介護を利用していた。あるとき,Gさんが自宅で倒れているのを訪問介護員が発見し,救急搬送した。訪問介護員は介護支援専門員及び支援事業の生活支援員に連絡し,いち早く駆けつけた生活支援員が医師に服薬や心身状況などを説明して,入院治療が行われた。2か月の入院加療でGさんの身体状況は改善したが,認知症が悪化し,医師から後見類型相当との診断がなされたので,市町村長申立てにより弁護士の後見人が選任された。後見人はGさんのために支援事業の契約を結び,引き続き支援事業を利用した。その後,Gさんは脳内出血で倒れ,後見人が同意して開頭手術が行われた。事例を読んで,Gさんへの対応に関する次の指摘のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
生活支援員は医師にGさんの心身状況などを漏らすべきではなかった。
支援事業の主体である社会福祉協議会が後見の申立てをすべきだった。
後見人が選任されたので,Gさんの支援事業の利用は禁止されるはずだ。
弁護士の後見人であっても,手術に同意する権限はないはずだ。
解説
5 - 〇 本人が医療を受けることに関する契約を締結することは、成年後見人の療養看護に関する後見義務の1つであるが、手術を受けるなど医療行為は本人の同意を必要とし、成年後見人にはその同意を代理する医療行為同意権はないとされていて、「医的侵襲」問題として成年後見人の課題になる。