道路法による特殊車両通行許可(以下「特殊車両通行許可」と|運行管理者(貨物)問題集

運行管理者(貨物)

Q 27 : 
道路法による特殊車両通行許可(以下「特殊車両通行許可」という。)及び道路交通法による制限外許可(以下「制限外許可」という。)に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。1:自動車の幅が2.5メートルの事業用トラックに、工作機械(分割不可能なもの。)を積載したところ、当該トラックの幅より左右ともに10センチメートルと僅かではあるが突出した状態になった。運行管理者は、突出量が僅かであることから特殊車両通行許可及び制限外許可を受ける必要はないと判断し、運転者に対して、当該工作機械の両端に赤い布を取り付ける等注意して運送するよう指示した。2:自動車の高さが3.6メートルの事業用トラックに、建築部材を積載したところ、地上から当該建築部材の最も高い部分までの高さが3.8メートルであり、当該トラックの高さ3.6メートルを超えているが、道路法(車両制限令)による車両の高さの最高限度及び道路交通法による積載物の高さの制限を超えていないことから、運行管理者は、特殊車両通行許可及び制限外許可を受ける必要はないと判断し、運転者に対して、この状態で運送するよう指示した。3:乗車定員2名、最大積載量が13,450キログラム、車両総重量が24,750キログラムの事業用トラックに、運転者2名(交替運転者を含む。)を乗車させ、13,200キログラムの建築部材を積載した状態で重量を計測したところ、24,500キログラムであった。運行管理者は、この重量が当該トラックの車両総重量24,750キログラムを超えていないため、どのような道路でも通行できることから、当該運送については特殊車両通行許可及び制限外許可を受ける必要はないと考え、通行する道路については運転者の判断に任せ、特に指示はしなかった。4:自動車の長さが10.5メートルの事業用トラックに、全長が12メートルの建築部材(分割不可能なもの。)を積載したところ、建築部材の一部が当該トラックの車体の後端より1.5メートル突出した状態となった。運行管理者は、この状態は道路法(車両制限令)による車両の長さの最高限度及び道路交通法による積載物の大きさ及び積載の方法の制限を超えていないことから、特殊車両通行許可及び制限外許可を受けず運行させることにした。
1
1: 不適 2: 不適 3: 不適 4: 適
2
1: 不適 2: 不適 3: 適 4: 適
3
1: 不適 2: 適 3: 不適 4: 不適
4
1: 適 2: 不適 3: 適 4: 不適
解説

1. 不適 道路交通法第57条第1項及び同法施行令第22条第3号ロによると、積載物は原則として自動車の車体の左右からはみ出してはならない。これを超えるときは、特殊車両通行許可及び制限外許可を受ける必要がある。本選択肢では、積載物がトラックの幅より左右とも10センチメートル突出しているにもかかわらず、許可を受けていない。

2. 適 道路交通法第57条第1項及び同法施行令第22条第3号ハによると、積載物は原則として3.8メートルからその自動車の積載をする場所の高さを減じたものを超えてはならない。積載物の高さは3.8-3.6=0.2メートルであるが、これは「3.8メートルからその自動車の積載をする場所の高さ(本選択肢の場合、3.6メートル)を減じたもの」を超えるものではない。したがって、特殊車両通行許可及び制限外許可を受ける必要はない。

3. 不適 安全規則第7条第1項及び第3項並びに第20条第1項第8号によると、運行管理者は乗務前の点呼及び中間点呼において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。本選択肢の運行管理者は通行する道路については運転者の判断に任せ、特に指示しなかったというが、これは規定に違反している。

4. 不適 道路交通法第57条第1項及び同法施行令第22条第3号イによると、積載物は原則として自動車の長さにその長さの10分の1の長さを加えたものを超えてはならない。本選択肢の場合、自動車の長さは10.5メートルだから、11.55メートルを超えてはならないことになる(10.5+10.5×1/10=11.55)。とすれば、全長12メートルの建築部材を積載するためには特殊車両通行許可及び制限外許可を受ける必要があり、これを受けていない本選択肢は不適切である。