運行管理者(貨物)
Q 15 :
点呼の実施に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でない者には解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。1:乗務を開始する前の運転者は、事業用自動車の日常点検を行ったところ左前タイヤが摩耗していることを確認したので、整備管理者にこの旨を報告した。整備管理者は、「当該タイヤは、安全上の問題があるが帰庫後に交換するので、そのまま運行しても差し支えない。」と運転者に対し指示をした。運行管理者は、乗務前点呼の際に当該運転者から当該指示等について報告を受けたが、そのまま乗務を開始させた。2:運行管理者は、乗務前及び乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を行う運転者に対し、それらの点呼のほかに、当該乗務の途中において電話による中間点呼を行った。その点呼では、当該運転者に酒気帯びの有無及び健康状態、疲労の度合いなどについて報告をさせ、安全な運転ができる状態であることを確認し、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしたうえで、乗務をさせた。3:運行管理者は、遠隔地で乗務を終了する運転者に対し、電話による乗務後点呼を行い、酒気帯びの有無については、当該運転者の応答の声の調子等にて確認するとともに、車載されているアルコール検知器(国土交通大臣が告示で定めたもの。以下同じ。)を用いて得た測定結果を報告させ、酒気を帯びていないことを確認した。4:荷主から依頼のあった運送が、深夜の時間帯に長距離走行となることから、運行管理者は、当該運送については交替運転者を同乗させることとした。出庫時から運転を開始する運転者に対する乗務前の点呼については、所属する営業所において対面により行い、出庫時から同乗する交替運転者の乗務前の点呼については、あらかじめ運転を交替する地点として指示した地点において、交替運転者が運転を開始する前にテレビ機能付き携帯電話及び車載されているアルコール検知器を使用して、健康状態、酒気帯びの有無等の報告、確認を行った。
解説
1. 不適 ダイヤの摩耗はスリップ事故につながるおそれがある。運行管理者としては、整備管理者が帰庫後に、タイヤを交換する場合であろうと、タイヤが摩耗した状態のままで乗務を開始させるべきではなかった。
2. 適 安全規則第7条第3項どおりの対応である。
3. 適 遠隔地で乗務を終了する運転者に対して電話による点呼を実施することは、「運行上やむを得ない場合」(安全規則第7条第1項)に当たり、適切である。また、酒気帯びの有無はアルコール探知器を用いて行わなければならない(同条第4項)が、運転者が遠隔地にいるため、運転者に検知器を用いて得た測定結果を報告させた運行管理者の措置は適切である。
4. 不適 点呼は、対面が原則であり、電話による点呼は「運行上やむを得ない場合」に限られる。また、交替運転者についても所属する営業所において対面による点呼が可能だった以上、乗務前に1回行うべきだったが、運転を交替する地点で初めて点呼を行ったことは、「運行上やむを得ない場合」とはいえないので適切ではない。