1. 不適 安全規則第20条第1項第4号及び第3条第5項により、運行管理者は酒気を帯びた状態にある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。検出されたアルコールの量が道路交通法施行令第44条の3に規定するアルコール濃度に満たないものであったとしても、その運転者は酒気を帯びた状態であることに変わりなく、これを乗務させた対応は適切でない。
2. 適 点呼の際、運転者から片側のブレーキランプが破損している旨の報告があった場合には、運行管理者は整備管理者に確認を求め、整備管理者に運行の可否を決定させる必要がある。選運行管理者は整備管理者に確認を行っており、適切である。また、代車を出して乗務を開始させているが、これはブレーキランプは左右両側ともきちんとそろっていなければならず、左のブレーキランプのレンズが破損している状態では運行させられないと整備管理者が決定した結果と思われる。この対応も適切である。
3. 不適 安全規則第20条第1項第4号の2及び第3条第6項により、運行管理者は乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。運行管理者は運転者の健康状態が普段と違っており、健康状態に問題があり安全な運転に支障があると感じたのだから、この運転者を乗務させてはならなかった。なお、運転者は「風邪薬を飲んでいるので安全な運転に支障はない」と言っているが、風邪薬には眠気を誘う成分が入っている場合があり、「安全な運転に支障はない」という運転者の言葉は信用できない。
4. 適 酒気帯びの有無は、「運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない」(安全規則第7条第4項)。運転者に携帯させるために営業所に備えられている携帯型アルコール検知器も「当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器」といえるので、対応は適切である。