個人が行う金融商品の取引に係る各種法規制に関する次の記述|2級FP問題集

2級FP

Q 30 : 
個人が行う金融商品の取引に係る各種法規制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法といい、「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」を預金者保護法という。
1
金融商品取引法により、金融商品取引業者が顧客と金融商品取引契約を締結しようとするときは、原則として、重要事項を記載した契約締結前交付書面を交付することが義務付けられている。
2
犯罪収益移転防止法により、銀行等の特定事業者は、個人顧客と預金契約等の特定取引を行う際には、原則として、当該顧客の「本人特定事項」「取引を行う目的」「職業」の確認を行うことが義務付けられている。
3
盗難キャッシュカードにより預金の不正な払戻しの被害に遭った預金者に重大な過失があった場合、預金者保護法に基づく補償額は、被害金額の80%相当額となる。
4
金融ADR制度は、金融商品取引において金融機関と利用者との間で苦情・紛争が発生したときに、当事者以外の第三者(金融ADR機関)がかかわり、裁判以外の方法で迅速な解決を図る制度である。
解説

1-○ 本文の通り。

2-○ 本文の通り。

3-× 預金者保護法に基づき、偽造カードや盗難カードによる預金の不正な払戻し被害については、預金者が無過失の場合に限り100%補償を受けることができる(金融機関が損害を負担する)。しかし、預金者に重大な過失がある場合にはその限りでない(盗難・軽過失の場合は75%が補償される)。

ちなみに、重過失とは「暗証番号をカードに記載していた」場合等で、軽過失とは「暗証番号が生年月日で、生年月日記載書類とカードを同時保管していた」場合などが当てはまる。

4-○ 本文の通り。ADRとは(Alternative Dispute Resolution)で、裁判外紛争解決手続を指す。