ボツリヌス菌毒素製剤の作用機序について正しいのはどれか。|理学療法士問題集

理学療法士

Q 78 : 
ボツリヌス菌毒素製剤の作用機序について正しいのはどれか。
1
末梢神経の破壊
2
ミトコンドリアのATP産生停止
3
アクチンとミオシン頭部の結合抑制
4
抗アセチルコリン受容体抗体の産生
5
神経終末部でのアセチルコリン分泌抑制
解説

1-× ボツリヌス毒素は神経筋接合部に作用し、神経伝達物質の放出を阻害する働きがある。痙性斜頸や眼瞼痙攣などの神経症状に対して筋弛緩を目的に使用されたり、美容整形においてしわ取りに使用される。

2-× ミトコンドリアのATP産生停止を呈するものにミトコンドリア病が挙げられる。ボツリヌス毒素は関与しない。

3-× アクチンとミオシンは筋原線維に存在している。ボツリヌス毒素は神経筋接合部に作用するため、直接関係性はない。

4-× 抗アセチルコリン受容体抗体は、アセチルコリン受容体の働きを妨げる自己抗体である。ボツリヌス毒素は抗アセチルコリン受容体抗体の産生に関与しない。

5-○ ボツリヌス毒素は神経に対して高い毒性を持つ。神経筋接合部に作用して、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を抑制する働きがある。