65 歳の男性。右利き。脳梗塞による片麻痺。Brunns|理学療法士問題集

理学療法士

Q 5 : 
65 歳の男性。右利き。脳梗塞による片麻痺。Brunnstrom 法ステージは上肢、手指、 下肢ともにIII。回復期リハビリテーション病棟では車椅子で移動している。発症後 3 か月の頭部 MR(I 別冊 No. 1)を別に示す。出現しやすい症状はどれか。
1
観念失行
2
左右障害
3
純粋失読
4
半側空間無視
5
非流暢性失語
解説

1-× 観念失行とは、はさみを使って紙を切るなど複数の道具を使用して行う動作が出来ない事である。左頭頂葉の障害でみられる。

2-× 左右障害(左右失認)は左右の判断が出来なくなる事である。左頭頂葉の障害でおこる。また、Gerstmann症候群(手指失認、左右失認、失算、失書)において出現する。

3-× 純粋失読は書く事は出来るが文字が読めない障害である。一次視覚野を含む左後頭葉内側面と脳梁の障害によっておこる。

4-○ 半側空間無視は視野の半分が見えなくなる事である。右大脳半球の障害によって起こり、左半側空間無視が多い。本症例のMRI画像より、右大脳半球の障害が認められる。

5-× 非流暢性失語では、特に言葉の発語に障害をきたす。左前頭葉、前頭葉内外側面の障害で起こる。非流暢性失語(ブローカ失語)に対して言葉の理解に障害のある流暢性失語(ウェルニッケ失語)が存在する。