出血部位と出現しやすい症候の組合せで正しいのはどれか。|理学療法士問題集

理学療法士

Q 84 : 
出血部位と出現しやすい症候の組合せで正しいのはどれか。
1
被殻    作話
2
皮質下    複視
3
視床    注意障害
4
小脳    反響言語
5
橋    半側空間無視
解説

1-× 作話とは無意識的につじつまを合わせる会話をするような現象をいい、側頭葉ウェルニッケ野や海馬・視床・乳頭体などの記憶回路の障害よって生じる。健忘・記名力障害・失見当識・作話の4症状をコルサコフ症候群という。

2-× 複視とは1つの物体が2つに見える現象である。中脳又は橋の出血、核性及び核下性の動眼神経麻痺・滑車神経麻痺・外転神経麻痺などによって生じる。

3-◯ 注意障害とは注意力や集中力の障害であり、前頭葉の障害で生じる高次脳機能障害である。1つの物事に集中出来なくなる選択的注意障害、集中出来る時間が短くなる持続性注意障害、1度にいくつかの事を同時に行うことが苦手になる容量性注意障害、前述した3つを全て含む全般性注意障害の大きく4つに分けられる。

4-× 反響言語は高次脳機能障害の1つで、人の発した言葉を真似する、いわゆるおうむ返しをする現象である。原因は言語野の障害、統合失調症緊張型、ピック病、アルツハイマー型認知症などでもみられる。

5-× 半側空間無視とは視野の半分しか見えなくなる現象で、同名半盲を伴うことが多い。右頭頂葉障害による左半側空間無視が圧倒的に多く、左側にある物にぶつかる、食事で左側の食べ物を残す様子がみられる。