頭部CT(別冊No.4)を別に示す。所見として考えられる|理学療法士問題集

理学療法士

Q 90 : 
頭部CT(別冊No.4)を別に示す。所見として考えられるのはどれか。
1
硬膜外血腫
2
硬膜下血腫
3
皮質下出血
4
くも膜下出血
5
脳動静脈奇形
解説

1-◯ 硬膜とは、脳と脊髄を覆う3層の髄膜のうち、一番外側の膜である。硬膜外血腫(EDH)は硬膜とその外側にある頭蓋骨の間に血腫が生じることをいう。出血源は硬膜動脈が多く、CTでは高吸収域を示す。急性期には意識障害を呈する。

2-× 髄膜は外側から硬膜・くも膜下・軟膜である。硬膜下血腫とは硬膜とくも膜の間に出血がおこることである。急性のものは意識障害、慢性のものは物忘れや手足の動かしにくさを呈する。

3-× 皮質下出血とは大脳皮質、または白質の出血をいう。頭頂葉出血が最も多く、原因は高血圧や脳動静脈奇形が多数を占める。激しい頭痛に加え、昏睡・失見当識・対側感覚障害を呈する。

4-× くも膜下出血(SAH)とは、主に脳動脈瘤の破裂によりくも膜下腔に血液が流入し、脳脊髄液と混ざり合った状態をいう。突然の激しい頭痛や意識障害などで発症し、項部硬直など髄膜刺激症状を示す。

5-× 脳動静脈奇形とは脳の動脈と静脈が吻合し、毛細血管が欠陥している先天性の血管奇形である。妊娠早期の異常により生じ、20〜40歳代に若年性脳血管障害としてくも膜下出血・脳室内出血などで発症する。