発育性股関節形成不全について正しいのはどれか。|理学療法士問題集

理学療法士

Q 32 : 
発育性股関節形成不全について正しいのはどれか。
1
開排は制限されない。
2
大腿骨頭の前方脱臼が多い。
3
乳児期ではリーメンビューゲル装具を用いる。
4
2歳以上では外転位保持免荷装具を用いる。
5
二次的な変形性股関節症にはなりにくい。
解説

1-× 発育性股関節形成不全とは、生後まもなく大腿骨頭の関節包内脱臼を呈するもので、女児に多い。股関節の内転拘縮や強制伸展による脱臼がおこる他、開排制限を生じる。

2-× 大腿骨頭の後方脱臼が多い。股関節伸展・内転・内旋は脱臼を招く。

3-◯ リーメンビューゲル装具(あぶみ式吊りバンド)は股関節伸展制限により脱臼の整復を行うものである。新生児期にはフォンローゼン装具(H型のシーネ)、また変形や拘縮が進んでいる場合は牽引や手術が行われる。

4-× 外転位保持免荷装具(トロント装具)はペルテス病の治療に用いられるものであり、外転保持と荷重制限を行う。

5-× 疾患に起因する変形性股関節症を二次性変形性股関節症といい、リウマチ因子、先天性股関節脱臼などがある。発育性股関節形成不全は二次性変形性股関節症の原因の多数を占める。