45歳の女性。脊髄小脳変性症。ADLは自立している。独歩|理学療法士問題集

理学療法士

Q 8 : 
45歳の女性。脊髄小脳変性症。ADLは自立している。独歩は可能で、会社へは電車で通勤している。最近ふらつきが多くなり、ときに転倒することがあるという。この患者に指導する内容として適切なのはどれか。
1
背臥位でのストレッチ
2
眼球運動による前庭刺激運動
3
立位での下肢筋力増強
4
外的リズムに合わせた平地歩行
5
T字杖を使用した応用歩行
解説

1-× ふらつきに対してストレッチは適さない。脊髄小脳変性症は小脳及び橋底部の萎縮・第4脳室拡大によって小脳性運動失調を呈する疾患であり、ふらつきは運動失調によるものであると考えられる。

2-× 眼球運動による平衡機能の改善は前庭性運動失調に対して行う。小脳性運動失調は前庭性運動失調と異なり、開眼・閉眼によるふらつきの差が少ない(ロンベルグ徴候陰性)。

3-◯ ふらつきに対して下肢筋力増強運動を行い、立位及び歩行の安定性向上を目指す。

4- 外的リズムに合わせた歩行練習は、すくみ足に対して行う方法である。

5- × 本症例は独歩が可能なレベルであるが、ふらつきに対して安定性向上のために杖を使用することを考える。軽度のふらつきにはT字杖よりもロフストランド杖や四点杖、それ以上の場合には歩行器や車椅子が適している。