55歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。1年前から通勤時に右足|理学療法士問題集

理学療法士

Q 11 : 
55歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。1年前から通勤時に右足がつまずくようになった。最近は意識して膝を上にあげて歩行している。腰椎MRIでは病的所見はなく、針筋電図所見では両側の前脛骨筋に右側優位の神経原性変化を認めた。適切な対応はどれか。
1
座位時は足を挙上しておく。
2
移動時に車椅子を利用する。
3
立ち上がり運動を繰り返す。
4
前脛骨筋に治療的電気刺激を行う。
5
右側プラスチック短下肢装具を装着する。
解説

1-× 右足につまずきがみられるため、不適切である。

2-× 日常生活の自立が可能な時期であり、機能維持のために可能な範囲で自力で歩行を行うべきである。

3-× 立ち上がり運動の繰り返しはALS患者にとって過負荷となり、過用性の筋力低下を生じる可能性があるため、不適切である。

4-× 治療的電気刺激は、末梢運動神経障害患者へは不適応である。上位および下位運動ニューロン障害があるALS患者へは実施不可である。

5-◯ 右足につまずきがみられることや、右前脛骨筋の神経原生変化を認めていることから、足関節背屈補助を行う必要がある。プラスチック短下肢装具の装着で、つまずきを防止する。