58歳の男性。生来健康であったが、突然のめまいと歩行困難|理学療法士問題集

理学療法士

Q 5 : 
58歳の男性。生来健康であったが、突然のめまいと歩行困難で救急搬送された。脳梗塞の診断で理学療法が開始された。理学療法の初期評価では、めまい、眼振とともに、右側には小脳性の運動失調、Horner症候群および顔面の温痛覚障害がみられた。左側には上下肢の温痛覚障害がみられたが深部感覚は保たれていた。病巣はどれか。
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解説

1-× 図の部分には中脳の赤核が存在する。赤核は不随意運動の調整役を担っており、障害されるとアテトーゼ・振戦・動眼神経麻痺・反対側半身不全麻痺を呈する。

2-× 大脳脚症候群が考えられる。中脳の大脳脚が障害されると、動眼神経麻痺・反対側半身不全麻痺を呈する。

3-× 橋上部外側症候群が考えられる。橋上部の後外側の障害により、障害側のホルネル症候群・小脳性運動失調・水平性眼振・悪心・嘔吐・めまい、反対側の顔面を含む感覚解離・聴覚障害・深部感覚障害を呈する。

4-◯ ワレンベルグ症候群である。延髄後外側の障害・椎骨動脈・外側脊髄視床路などの障害によって、障害側の小脳失調・顔面の温痛覚障害・ホルネル徴候・嚥下障害、反対側の頸部以下に温痛覚障害を呈する。

5-× 延髄傍正中症候群が考えられる。延髄正中部の障害により、障害側の舌下神経麻痺、反対側の運動麻痺・触覚障害・深部感覚障害を呈する。