65歳の男性。右利き。左上下肢の脱力のため搬送された。頭|理学療法士問題集

理学療法士

Q 4 : 
65歳の男性。右利き。左上下肢の脱力のため搬送された。頭部MRA(別冊No.1)を別に示す。この患者に絵の模写を行わせると、図のように描いた。この患者に伴いやすい高次脳機能障害はどれか。
1
失語症
2
観念失行
3
純粋失読
4
左右失認
5
着衣障害
解説

1-× 失語症は構音器官・聴覚・運動機能に問題がないにも関わらず、言葉の表出と受容が障害されるものである。左頭頂葉・前頭葉・側頭葉の障害で生じる。

2-× 観念失行はある目的のための一連の動作が障害されることをいい、ポットを使ってお湯を入れるなどの行為が行えなくなる。左頭頂葉の病変により生じる。

3-× 純粋失読は視覚失認性失認ともいい、感覚性失語の一種である。聴覚を介する言語入力の障害で、流暢性や呼称に障害はない。両側の上側頭回の病変でみられる。

4-× 左右失認は右と左の識別が出来ない障害であり、左頭頂葉の病変で生じる。

5-◯ 着衣障害では、ズボンやシャツの着方が分からないといった、更衣動作の障害を呈する。右頭頂葉から後頭葉の病変によって生じる。