48歳の女性。2年前に多発性硬化症と診断された。これまで|理学療法士問題集

理学療法士

Q 12 : 
48歳の女性。2年前に多発性硬化症と診断された。これまで日常生活はおおむね自立していたが、1週前から視力の低下、両側下肢の脱力が増悪し入院となった。薬物治療後に理学療法が開始されたが、視力の低下、両側下肢の筋力低下および軽度のしびれが残存している。この時点の深部感覚障害の程度を適切に検査できるのはどれか。
1
運動覚試験
2
Romberg試験
3
内果での振動覚試験
4
自動運動による再現試験
5
非検査側を用いた模倣試験
解説

1-○ 視力低下・両下肢筋力低下・しびれを生じているため、それらを考慮した検査が必要である。運動覚試験では他動的に関節を動かし、それに対してどの方向に動いたかを答えさせる深部感覚検査法であり、視力低下等の影響が無く実施できる。

2-× ロンベルグ試験では閉眼立位で静止させる必要があり、下肢に筋力低下としびれがある本症例には不適切である。

3-× 下肢にしびれが残存しているため、内果での振動覚試験は不適切である。

4-× 下肢に筋力低下がみられるため、自動運動による試験は不適切である。

5-× 視力低下がみられるため、模倣させるのは正確性に欠ける。