脊髄損傷の感覚障害について正しいのはどれか。|理学療法士問題集

理学療法士

Q 83 : 
脊髄損傷の感覚障害について正しいのはどれか。
1
馬尾神経症候群ではみられない。
2
中心性頸髄損傷では上肢より下肢に強い。
3
脊髄円錐症候群では肛門周囲が障害される。
4
前脊髄動脈症候群では位置覚が障害される。
5
Brown-Séquard症候群では病巣の反対側の位置覚が障害される。
解説

1-× 馬尾神経障害は腰髄損傷により膀胱直腸障害・肛門周囲及び会陰部の感覚障害(サドル状感覚消失)を呈する。

2-× 中心性頸髄損傷は転倒や脊柱管狭窄症により中心灰白質が損傷し、上肢の強い運動麻痺・感覚障害を呈する。

3-◯ 脊髄円錐症候群は椎間板ヘルニアや脊髄腫瘍が原因で仙髄下部・尾髄が損傷し、膀胱直腸障害やサドル状感覚消失を呈する。

4-× 前脊髄動脈症候群は脊髄前面の動脈の血流障害により、障害髄節での筋萎縮・障害部位以下の温痛覚障害及び対麻痺などを呈する。位置覚などの深部感覚は障害されない。

5-× ブラウンセカール症候群(脊髄半側症候群)は脊髄の半分が障害されることで障害髄節では全表在感覚脱失・その髄節支配の筋萎縮及び筋力低下、障害髄節以下の障害側と反対に温痛覚障害が生じる。