62歳の男性。5年前に脊髄小脳変性症と診断され、徐々に歩|理学療法士問題集

理学療法士

Q 8 : 
62歳の男性。5年前に脊髄小脳変性症と診断され、徐々に歩行障害が進行している。体幹失調が顕著で、下肢には協調運動障害があるが筋力は保たれている。歩隔をやや広くすることで左右方向は安定しているが、前後方向への振り子様の歩容がみられる。最近になって自力歩行が困難となり、理学療法で歩行器を用いた歩行を練習している。この患者の歩行器に工夫すべき点で適切なのはどれか。
1
サドル付型を用いる。
2
ピックアップ型を用いる。
3
歩行器は軽量のものを選ぶ。
4
上肢支持面の側方に重錘を装着する。
5
上肢支持面は前腕部で支持できる高さにする。
解説

1-× サドル型歩行器は転倒リスクのある患者に用いられるが、本症例には適さない。

2-× ピックアップ型歩行器(固定型歩行器)は歩行器を持ちあげて移動する。本症例では体幹失調が著名で立位保持が不安定のため、適さない。

3-× 脊髄小脳変性症は運動失調を呈し、協調性障害や歩行障害などを生じる。安定性向上のため、軽量な歩行器は使用しない。

4-× 歩行練習では四肢遠位部に重錘バンドを装着する。

5-○ 前腕部で支持出来るよう、支持部の高さ調整を行う。肩が上がりすぎたり、支持部にもたれかからないよう注意する。