抗精神病薬を服用中の統合失調症患者。意識障害、37.5℃|理学療法士問題集

理学療法士

Q 500 : 
抗精神病薬を服用中の統合失調症患者。意識障害、37.5℃以上の発熱、発汗および身体のこわばりが出現した。最も考えられるのはどれか。
1
アカシジア
2
悪性症候群
3
急性ジストニア
4
遅発性ジスキネジア
5
薬剤性 Parkinson 症候群
解説

1-× アカシジアは、じっとしていられない様子から鎮座不能症とも呼ばれ、下肢を中心ににむずむずとした感覚を示すなどの症状もみられる。パーキンソニズムの一種で、抗精神病薬の投与し始めにみられることがある。

2-◯ 悪性症候群とは抗精神病薬の増減により発症し、急激な高熱や血圧上昇・意識障害などがみられるものであり、本症例に該当する。処置を行わなければ死に至ることもあり、注意が必要である。

3-× 急性ジストニアは筋緊張亢進による異常姿勢を示すものであり、眼筋におこると眼球が上転して戻らなくなる。

4-× 遅発性ジスキネジアでは、口をもぐもぐさせるような顔面の不随意運動がみられる。抗精神病薬の長期投与により生じる。

5-× 薬剤性パーキンソン症候群のひとつであるアカシジアは、じっとしていられない鎮座不能症とも呼ばれ、抗精神病薬治療の初期にみられる。