56歳の男性。数年前から頸椎椎間板ヘルニアを指摘されてい|理学療法士問題集

理学療法士

Q 312 : 
56歳の男性。数年前から頸椎椎間板ヘルニアを指摘されていた。昨日、自宅で転倒して突然に麻痺を呈した。頸髄損傷と診断され、主な損傷部位以下の機能はASIA機能障害尺度でBである。頸椎MRI(別冊No.2)を別に示す。正しいのはどれか。
1
横隔膜の麻痺がある。
2
肩をすくめることができる。
3
スプーンを握り食事ができる。
4
棚の上の物をとることができる。
5
頸部を回旋することができない。
解説

1-× 横隔膜の麻痺はC3〜5の障害でみられる。MRIより、本症例はC5〜6の椎間板ヘルニアであることが分かる。

2-◯ 肩甲帯の挙上が可能な髄節はC2〜5である。本症例ではC5より上の髄節が機能残存しており、肩甲挙筋・僧帽筋上部線維による肩甲帯挙上が可能である。

3-× スプーンを握る動作にはC8レベルの手指屈筋群が機能する必要がある。本症例では不可能である。

4-× 棚の上の物をとるにはC7レベルの肘関節伸展動作が可能である必要がある。本症例では不可能である。

5-× 頸部回旋はC2〜3レベルの胸鎖乳突筋によるものである。本症例では可能な動作である。