70歳の女性。右利き。脳梗塞を発症し搬送された。発症後2|理学療法士問題集

理学療法士

Q 203 : 
70歳の女性。右利き。脳梗塞を発症し搬送された。発症後2部MRI(別冊No.1)を別に示す。この画像で認められる脳梗塞の部位はどれか。
1
視床
2
内包
3
被殻
4
尾状核
5
放線冠
解説

1-× 視床は視床脳とも呼ばれ、間脳背側を占める灰白質である。嗅覚以外の全感覚情報を大脳皮質へ中継する。MRIではモンロー孔レベルの画像で内包後脚の内側に位置し、大きな卵形を呈する。

2-× 内包は前頭葉への入出力を行う前脚と、頭頂葉・側頭葉・後頭葉への入出力を行う後脚に分けられる。MRIではモンロー孔レベルの画像で確認され、内包を境に内側を尾状核・視床、外側を淡蒼球に分けている。

3-× 被殻とは大脳基底核の一部で、モンロー孔レベルの画像で内包外側に位置する神経核である。一次運動野及び一次体性感覚野から入力を受ける。また、淡蒼球とともにレンズ核を構成する。

4-× 尾状核とは大脳基底核の一部で、モンロー孔レベルの画像で側脳室前角の外側に位置する。大脳皮質からの入力を受ける。

5-◯ 側脳室レベルの画像で右放線冠梗塞を認める。画像の右側脳室外側部に、梗塞を意味する白い高吸収域を示す。この部位は放線冠といい、大脳皮質の入出力線維が内包と大脳皮質の間を放射状に走行している。放線冠には錐体路も走行している。