5歳の男児。脳性麻痺で痙直型四肢麻痺である。粗大運動機能|理学療法士問題集

理学療法士

Q 113 : 
5歳の男児。脳性麻痺で痙直型四肢麻痺である。粗大運動機能は側臥位までの寝返りが可能。背臥位と背臥位から引き起こしたときの状態を図に示す。臨床症状として可能性が低いのはどれか。
1
足クローヌス陽性
2
下肢の伸筋共同運動
3
緊張性迷路反射の残存
4
パラシュート反応陽性
5
股関節外転の可動域制限
解説

1-× 痙直型脳性麻痺では筋トーヌス亢進・クローヌス出現・折りたたみナイフ現象・深部腱反射亢進がみられる。

2-× 股関節屈曲・内転・内旋位、膝関節伸展位・足関節底屈位の下肢伸展パターンを取りやすい。

3-× 上の図から非対称性緊張性頸反射が残存しており、脊髄〜橋の統合がまだであることがわかる。緊張性迷路反射も脊髄〜橋レベルであるため、残存していると考えられる。

4-◯ 下の図で引き起こし反応がみられないことから、中脳レベルの統合がまだであることがわかる。パラシュート反応も中脳レベルであり、出現していないことが考えられる。

5-× 痙直型四肢麻痺に特徴的なシザーズ肢位により、股関節屈曲・内転・内旋位を取りやすい。そのため、外転制限が生じる。