次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 Y氏は、国内外の|中小企業診断士問題集

中小企業診断士

Q 80 : 
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 Y氏は、国内外の生産者への特別発注で仕入れたカジュアル衣料品と雑貨を品揃えする小売店15店舗を、地方都市の商店街やショッピングセンター(SC)の中で、チェーンストア・オペレーションによって経営している。近年、自店舗で取り扱う商品カテゴリーにおけるe-コマース比率が上昇していることを受け、Y氏はオンライン・ショッピングモールへの出店を行っている。実店舗の商圏ではなかなか売り切ることのできなかった商品も遠隔地の消費者が購買してくれるケースが目立ち、今やインターネット店舗事業の販売額が実店舗の販売額を上回るようになっており、顧客の購買履歴を活用した商品提案も好評である。 今後の課題は、各シーズンの在庫を適切な時期に望ましい価格で販売し、常に新鮮な品揃えを提供することである。そのための手段としてY氏は各種の①価格・プロモーション施策を試み、その効果測定を通じた今後の展開の検討を行っている。 もうひとつの課題は、②買い物の目的・状況によって特定の実店舗で購買したり、 インターネット店舗で購買したりする顧客の増加が顕著になってきていることであ る。この点についても今後、有効な対策を講じたいとY氏は考えている。 文中の下線部①に示す「価格・プロモーション施策」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
1
Y氏の小売チェーンでは毎年夏、ヨーロッパのメーカーとの製販連携の取り組みを通して仕入れた高品質のポロシャツの販売強化を行っている。例年、3,500 円から4,500 円の範囲で価格設定をしていたが、需要数量に大きな差はなかった。今年、これを5,200 円に設定すると需要数量は激減した。このような効果を、端数価格効果という。
2
Y氏の店舗の品揃えの多くは「こだわりの特注品」であるため、Y氏は過度の値引き販売は極力避けるようにしているが、過去 3シーズンにおいては、商品ごとに大幅な値引き価格を表示したセールをしている。これらのセールによる消費者の内的参照価格の低下は起こりにくい。
3
Y氏は以前、消費者吸引を意図して世界各国から仕入れた雑貨を100 円均一で販売するキャンペーンを継続的に実施していた。日本ではほとんどみられない商品ばかりだったため、買い物客の多くは価格を品質判断の手段として用い、「これらは-かろう、悪かろうだろう」という結論に至る場合が目立った。これは、価格の品質バロメーター機能である。
4
Y氏は顧客ひとりあたりの購買単価を上げるための施策として、キャンペーン期間中に一定数量(点数)以上の買い物を行った顧客に対して、次回以降に使用可能なバンドル販売型買い物クーポンを配布した。この種のバンドル販売の欠点は、消費者の内的参照価格が下がることである。
解説

ア - × 端数価格効果は、2980円のように価格を設定し、消費者に値引きや安さを印象づけることである。

イ - × 参照価格とは、消費者が商品やサービスを購入する際に、過去の購入経験などで心理的に比較する価格のことであり、、商品ごとに大幅な値引き価格を表示したセールをしていることがあるならば、内的参照価格の低下は起こりやすい。

ウ - ○ 正解 記述内容の通りである。

エ - × 使用可能なバンドル販売型買い物クーポンを配布するのは、消費者の内的参照価格が下がらないようにするためである。