市場の成熟期を迎えた製造業の企業は、これまでの経営戦略を|中小企業診断士問題集

中小企業診断士

Q 51 : 
市場の成熟期を迎えた製造業の企業は、これまでの経営戦略を見直し、成熟段階にふさわしい戦略をとることが重要になる。成熟期の戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
1
買い慣れた顧客が増えて、市場シェアを巡る競争は緩和するので、ブランド戦略を追求する。
2
市場での競争が緩和するので、市場シェアの拡大のために生産や販売の分野に積極的な追加投資をすることが効果的になる。
3
市場や技術はほぼ-定するので、競争の重点をコストとサービスに置くようにする。
4
通常、成熟期に向かうにつれて流通業者のマージンが減少し、撤退する流通業者が増えるので、製造業企業は強くなった交渉力を活かして流通支配力の強化を図る戦略を狙う。
5
転用のきかない経営資産は、帳簿価格が清算価値を上回っていれば売却してキャッシュフローの増大を図る。
解説

ア - × 市場が成熟期を迎えていることから、限られたパイの奪い合い始まっているため、「競争は緩和するのではなく、激化する」と考えられる。

イ - × 成熟期を迎えていることから、市場での競争は緩和されないと考えられる。

ウ - ○ 正解 成熟期を迎えていることから、各企業の製品も類似性が高まるため、市場や技術はほぼ安定していると捉えることができる。また、その際に競争優位性を確保するためには、コストとサービスに着目する必要がある。

エ - × 「製造業企業は強くなった交渉力を活かして流通支配力の強化を図る」と記述されているが、逆に交渉力は弱くなる。

オ - × 経営資産の売却を、成熟期で実行するのは好ましくない。