財市場における総需要ADは、消費C、投資I、政府支出Gの|中小企業診断士問題集

中小企業診断士

Q 5 : 
財市場における総需要ADは、消費C、投資I、政府支出Gの合計であるとする。所得をY、限界消費性向をc、所得がゼロでも必要な最低限の定額の消費額をc0とすれば、消費はC =c0 +cYと書き表すことができる。総供給ASと所得が等しいとすれば、これらの関係から⑴式と⑵式が得られ、下図のように示すことができる。 いま、上記の標準的なモデルに追加して、所得Yに対して定率tで課税する線形の租税関数tYを考えると、消費関数はC =c0 +c(Y-tY) となり⑶式を得る。 また、企業投資が⑶式のIから外生的に増加してI′になった場合を⑷式で表記する。なお、税収は政府支出Gには影響を与えないものとする。 このとき下記の設問に答えよ。他を一定として、企業投資がIからI′ へ1.8だけ増加した形で⑶式から⑷式への変化が発生したものとする。このとき、所得Yの変化として最も適切なものはどれか。ただし、限界消費性向cは0.8、税率tは0.2 とする。
1
Yは 1増加する。
2
Yは1.8 増加する。
3
Yは 5増加する。
4
Yは 9増加する。
5
Yは増加しない。
解説

ア - ×

イ - ×

ウ - ○ 正解 財市場の均衡式(Y=AS=AD)に数値を代入して整理すると、Y=AS=AD=0.8×(1-0.2)×Y+c0+I+G=0.64Y+c0+I+G更に整理すると、Y-0.64Y=c0+I+Gとなり、Y=1/0.36(c0+I+G)となる。よって、投資乗数は1/0.36となり、投資が1.8増加すれば、それに対して1/0.36倍国民所得が増加する。つまり5である。

エ - ×

オ - ×