いわゆる濫用的会社分割に関する以下の会話は、中小企業診断|中小企業診断士問題集

中小企業診断士

Q 137 : 
いわゆる濫用的会社分割に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX株式会社の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X株式会社がA設備株式会社に対して売掛金を請求する場合の法的根拠として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、以下の会話中、A社とはA株式会社のことをいう。  甲氏:「取引先のA社から、支払いがなくなったんですよ。それであわてて、A社の本社に行ってみたら、A社という会社の看板はなくなっていて、代わりに、A社と全く同じ設備、同じ人で、名前だけがA設備株式会社という名前になって、同じ営業をしていたんです。それでどういうことだと思って話を聞いてみたら、会社分割という方法を使って、今度からはA設備株式会社がここで営業をする、と言うんですよ。それなので、うちの売掛金も払ってもらえるもんだと思って話をしてみたら、A設備株式会社は、A社とは別の会社だから支払えない、A 社は閉めてしまった、と言うんです。」 あなた:「それはやられましたね。濫用的会社分割などと言われているものだと思います。」 甲氏:「濫用的会社分割…。それはどういったものですか。」 あなた:「資産を別会社に移して、従来の負債はそのまま元の会社に残しておいて、実質的に債務を免れるものです。」 甲氏:「どうしてそんなことができるんですか。債権者に連絡したりしないといけないんじゃないですか。」 あなた:「元の会社が負債の全部の支払を引き受けるときには、元の会社の債権者への連絡はいらないんですよ。今回の場合も、A社が全部の債務を負うということにしていれば、何の連絡もなく、会社分割ができてしまうんですよ。」  甲氏:「そうすると、彼らの言うとおり、もうA設備株式会社には請求ができないということですか。」 あなた:「いえ、必ずしもそうではありません。何か方法があるはずです。知り合いの弁護士を紹介しますから相談してみてください。」
1
債権者代位
2
詐害行為取消権
3
併存的債務引受
4
連帯保証
解説

ア - ×

イ - ○ 正解 問題文より、濫用的会社分割によい分割会社に対する債権の弁済を受けられなくなった債権者であるX株式会社が違法であると裁判所に認定させることが争点であると読み取れるため、詐害行為取消権が該当すると考えられる。

ウ - ×

エ - ×