経営者による戦略の選択は組織構造とプロセスを形作るととも|中小企業診断士問題集

中小企業診断士

Q 15 : 
経営者による戦略の選択は組織構造とプロセスを形作るとともに、組織構造とプロセスは経営戦略を制約する。代表的な研究者であるレイモンド・マイルズとチャールズ・スノーは、組織の戦略の型によって解決すべき企業者的問題、技術的問題、管理的問題が異なり、そのコストと利点も異なると主張した。これについて最も適切なものはどれか。
1
受動型(reactor)戦略をとる企業は、経営者がトップダウンで明確な戦略を示すことができないため、社内ベンチャーのようなボトムアップからイノベーションが生まれるような制度をもっている傾向が高い。
2
探索型(prospector)戦略をとる企業の企業者的問題は、新製品市場の開発と新市場の創造にある。そのために柔軟に試作的な技術を追求し、中央集権的な統制システムを採用する。
3
分析型(analyzer)戦略をとる組織が直面する企業者的問題は、既存の製品―市場分野の維持と新しい製品―市場分野の開発のバランスをとることにある。そのために、応用研究分野で複数のコア技術を持ち、-定性と柔軟性のバランスをとる組織構造が必要とされる。
4
防衛型(defender)戦略をとる組織が直面する企業者的問題は、既存の事業領域を積極的に維持することである。そのためにコアとなる技術以外にもイノベーションを追求し、有機的管理システムを採用する必要がある。
解説

ア - × 受動型戦略をとる企業は、変化や不確実性に効率的に対応できない組織であるため、社内ベンチャーのような制度は持っていない。

イ - × 探索型戦略をとる企業は、絶えず市場機会を探索する組織であり、新しい環境にも対応できる体制を持っていることから、中央集権的な統制システムではなく、分権的な統制システムを採用する。

ウ - ○ 正解 記述内容の通りである。

エ - × 防衛型戦略をとる組織が直面する企業者的問題は既存の事業領域を積極的に維持することであるが、コア技術以外のイノベーションを追求する必要はない。