次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。よ。 ある金曜日の|中小企業診断士問題集

中小企業診断士

Q 74 : 
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。よ。 ある金曜日の夕方、機械部品メーカーの2 代目経営者のYさんは取引先とのミーティングを終えると足早に家電専門店チェーンの大型店舗に立ち寄った。この店舗は駅に隣接したショッピング・センター(SC)のテナントとして出店している。 Yさんは、取引先が国際展開をしていることがきっかけで自社の創業以来はじめて海外市場へのアプローチに着手した。海外のエージェントとのリアルタイムの会議を円滑に行うために、翻訳機能付きの電子手帳の購入を検討している。 いくつかの商品を比較している最中に、Yさんのスマートフォンにe メールが送られてきた。この家電専門店チェーンのウェブ店舗からのものだった。メールをあけてみると、数日前にYさんがスマートフォンを使ってこの小売業者のウェブ店舗で検索し、「お気に入り(bookmark)」に登録していた電子手帳の詳細情報が記載されている。また、このSC内店舗での売場の位置と①実際にこの商品を購入し、使用している消費者によるレビューが紹介されている。メールを見ながら売場に移動し、この電子手帳を手に取ってみるとYさんが今必要としている機能が満載の商品であることが分かった。 Yさんはおもむろにこの商品の型番をスマートフォンに入力し、検索をかけてみた。すると、別の家電専門店のウェブ店舗では全く同じ商品が5,000 円安い価格で販売されていることが分かった。Yさんは、早速この電子手帳をスマートフォンサイト経由で注文し、クレジットカードで決済した。また、このネットショッピングで②Yさんは購入額の10 % のポイントを獲得した。日曜日の朝、Yさんは電子手帳を受け取り、あれこれ操作を試し、海外エージェントとのミーティングで想定されるフレーズを学習した。 文中に示すYさんの行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
1
YさんはSC内の家電専門店チェーンの店舗に立ち寄った際にこのチェーンのウェブ店舗からe メールを受け取ったことで、AIDMAでいえばM(Memory)にあたる内容を活性化することができた。
2
Yさんは金曜日の夕方にSC内の家電専門店チェーンの店舗に立ち寄る前に、このチェーンのウェブ店舗で翻訳機能付きの電子手帳を網羅的に検索していたので、買い物出向前に明確なブランドの選好マップが形成されていたといってよい。
3
Yさんは店頭で受け取ったe メールを読むとすぐさま商品関連情報を検索し、電子手帳の購買にいたる意思決定を行った。この一連の流れの中でYさんはコミュニケーションに対する消費者の反応(購買)プロセスモデルのひとつであるAISASに含まれるすべてのステップを踏んでいたといえる。
4
今回のYさんの電子手帳の購買プロセスの一部にも見られたような、「実際の店舗で商品の実物展示を体験してから、より低い商品価格と消費者費用で同じ商品を購入することのできるウェブ店舗を探してそこで購買を行う」タイプの行為は一般にブラウジング(browsing)といわれている。
解説

ア - ○ 正解 AIDMAとは、注目(Attention)、関心(Interest)、欲求(Desire)、記憶(Memory)、行動(Action)のことである。Eメールを受け取ったことで、AIDMAの記憶(Memory)が活性化している。

イ - × チェーンのウェブ店舗で翻訳機能付きの電子手帳を網羅的に検索しても、明確なブランドの選好マップが形成されない。

ウ - × AISASとは、注目(Attention)、関心(Interest)、探索(Serach)、行動(Action)、共有(Share)のことであり、記述内容より、共有(Share)のステップは踏んでいないことが分かる。

エ - × 記述内容はショールーミングのことである。