次の文の著者として正しいものを一つ選びなさい。教授-学習|保育士問題集

保育士

Q 24 : 
次の文の著者として正しいものを一つ選びなさい。教授-学習の問題に関する心理学研究は、これまでふつう子どもの知的発達の水準の解明に限られてきた。だが、子どもの発達状態をこの水準だけで決定するのでは不十分である。この水準はふつうどのように決定されているか?この決定の手段とされるものは、子どもが自主的に解いた問題である。これによって、子どもが今日できること、知っていることが分かる。なぜなら、そこでは子どもにより自主的に解かれた問題だけが考慮されているからである。明らかに、この方法によるとき、われわれは、今日子どもにすでに成熟しているものだけを明らかにすることができる。われわれは、子どもの現下の発達水準だけを決定する。だが、発達状態というものは、その成熟した部分だけで決定されるものでは決してない。自分の果樹園の状態を明らかにしようと思う園丁が、成熟した、実を結んでいるりんごの木だけでそれを評価しようと考えるのは間違っているのと同じように、心理学者も、発達状態を評価するときには、成熟した機能だけでなく、成熟しつつある機能を、現下の水準だけでなく、発達の最近接領域を考慮しなければならない。
1
ブルーナー(Bruner,J.S.)
2
ピアジェ(Piaget,J.)
3
デューイ(Dewey,J.)
4
エリクソン(Erikson,E.H.)
5
ヴィゴツキー(Vygotsky,L.S.)
解説

1 - × ブルーナーはアメリカの心理学者。結論を教えるのでなく,結論にいたる過程を児童・生徒にたどらせることで、学習のしかたが学習され,学習する能力が伸張されるのだとする「発見学習」を提唱した。

2 - × ピアジェは、スイスの心理学者。人間の認識は,人類が科学的な知識を積み重ねてきたように,個人の中でも積み重ねることによって発生してくるという「発生的認識論」を提唱しました。

3 - × デューイは、アメリカの哲学者・教育思想家で。教育とは絶えざる経験の再構成であるとした。

4 - × エクリソンはアメリカの心理学者。年齢に応じて発達課題を設定し、人生を8段階に分けるライフサイクル論を唱えた。

5 - ◯ 問題文は、ヴィゴツキーの著書「思考と言語」の「発達の最近接領域」に関する記述である。ロシアの心理学者。子どもの認知の発達には、子どもが自力で課題を解決できる領域と、他者の助けを得ながら課題を解決できる領域があり、後者を「発達の最近接領域」と名づけた。