次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】L保|保育士問題集

保育士

Q 57 : 
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】L保育所を利用している4歳の女児Mちゃんは、最近、担当保育士の側から離れようとせず、また、衣服は2、3日も同じものを着ている状態が続き、さらに、些細なことで他の園児とトラブルを起こしている。そこで、心配した担当保育士は、Mちゃんの母親Nさんに、自宅でのMちゃんの様子を聞いてみた。母親Nさんからは、「最近、離婚話が持ち上がり、心身共に疲れ果てています。」と言われた。【設問】次の文は、保育所の保育士としての対応に関する記述である。最も不適切な対応を一つ選びなさい。
1
母親Nさんとの接触を十分に行い、母親NさんとMちゃんとの関係に心を配り、ソーシャルワークの機能を念頭に置き支援を行った。
2
保育所や保育士等による対応では不十分であったり、限界があると判断した時には、関係機関への通告を考えている。
3
保育所と母親Nさんとの間で意向や気持ちにずれが生じたり、対立が生じかねないことがあるので、担当保育士は、慎重に対応した。
4
母親Nさんには、不適切な養育等が疑われたので、「児童福祉法」の通告義務に従って要保護児童対策地域協議会に通告し、母親Nさん宅への訪問指導を依頼した。
5
担当保育士は、Mちゃんや母親Nさんの近況を、園長を含め他の保育士に説明したところ、園全体で対応することになった。
解説

1 - ◯ 保育所保育指針解説書では、保育所における子育て支援においてソーシャルワーク機能を果たすことも必要だと記されている。

2 - ◯ 保育所保育指針解説書では、保育所での対応では限界があると考えられる場合は、関係機関と連携することが求められている。

3 - ◯ 保護者との信頼関係を構築するために、保育士の受容的かつ慎重な対応が求められている。

4 - × 要保護児童を発見した際の通告先は要保護児童対策地域協議会ではなく、市町村、福祉事務所、児童相談所、児童委員である。要保護児童対策地域協議会は要保護児童を早期発見し適切に保護するために、地域の関係機関が情報を共有するために設置されているもので、このケースではまだMちゃんが要保護児童であると確定したわけではないので、要保護児童対策地域協議会に参加して情報交換を行う段階といえる。

5 - ◯ 園全体で対応していくことは適切である。