次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【|保育士問題集

保育士

Q 52 : 
次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】4歳児クラスのM君は、数人の友達が砂場で砂山を作っているのを見ていたが、友達が大きなトンネルを掘ろうと話し合っているときに、さっと砂場に入り、トンネルを掘ろうとした。友達に「M君とは遊んでいない。」と言われると、足で砂山を踏みつぶしてしまった。砂山を作っていたHちゃんが「もう、M君とはずっと遊ばない。だいっきらい。」と叫んだ。いつものM君は、自分の意見が通らないとかんしゃくを起こすことが多いのだが、このときは園庭の隅に一人で走っていき、みんなに背を向けてこらえている様子である。砂場の友達は砂山を作りなおして遊びの続きをしている。【設問】この場にいた保育士のHちゃんへの言葉かけとして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A「そんな言葉を言ってはいけない。」と、仲間はずれを強く制止する。B「だいっきらいって、言ってもいいんだっけ?」と、Hちゃんが基本的な態度を身につけることができるように問いただす。C「M君は、いつも乱暴だからね。『そういう子とは遊ばない』と、みんなで強く言った方がいい。」と、Hちゃんを支持する。D「砂山こわれちゃって大変だったね。何があったのか、聞かせてくれる?」と、Hちゃんが自分の思いを言葉で表現できるよう話しかける。E「もう少しでできるところだったのに残念だったね。M君はなんでこわしちゃったんだろうね。」と、Hちゃんの思いを受けとめた上で、M君の気持ちに気づくことができるよう問いかける。
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A:○ B:× C:× D:○ E:×
2
A:× B:○ C:× D:○ E:○
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A:× B:× C:○ D:× E:○
4
A:× B:× C:× D:○ E:○
5
A:× B:× C:× D:○ E:×
解説

A - × ここではまず、Hちゃんの思いを受け止めることが大切である。保育所保育指針には、「一人一人の子どもの気持ちを受け止め、援助すること」という配慮事項が記述されており、Hちゃんの思いを聞かずに制止することは適切な対応とはいえない。

B - × Hちゃんが「だいっきらい」と言った理由も聞かずにそれを制止することは適切な対応とはいえない。

C - × M君が乱暴な振る舞いをしてしまう理由を考えずに、いつも乱暴だと決め付けることは、不適切で、Hちゃんだけを支持してM君を悪者にするような発言を、保育士はとるべきではない。

D - ◯ 保育所保育指針の第3章「保育の内容」2「保育の実施上の配慮事項」(4)「3歳以上児の保育に関わる配慮事項」キには、「自分の気持ちや経験を自分なりの言葉で表現することの大切さに留意し」とある。Hちゃんの気持ちを受け止めつつ、それを本人の言葉で表現できるように話しかけることは適切な対応である。

E - ◯ Hちゃんの気持ちに寄り添いながら、M君の気持ちを考えることができるように導くような対応は、保育所保育指針の解説書にある「保育士等は子ども同士のやり取りやぶつかり合いを見守りながら、必要に応じて相手の気持ちを知らせ、子どもの心の安定に配慮して援助することが大切です」という記述にのっとった適切な対応といえる。